【2022年】証券業界の動向から見る業界課題と将来性

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ネット証券が普及したりIFAが台頭したりと、証券業界は大きな変化の渦中にあります。

この記事では、新卒で証券会社に入社し、退職した今でも証券パーソン向けの転職支援を行っている筆者が、近年の動向から証券業界の課題・将来性を発信していきます。

証券業界を目指す学生や、証券業界への転職を目指す社会人、及びキャリアに悩んでいる現役証券パーソンは是非ご参考ください。

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目次

証券業界の動向

はじめに、近年の証券業界の動向をまとめていきます。

  • 顧客動向
  • 競争状況
  • ビジネス動向

この3つの観点から見ていきましょう。

証券業界の顧客動向

「貯蓄から投資」は道半ば

日本政府は長らく「貯蓄から投資」をスローガンに掲げ、さまざまな政策を実行・検討してきました。

岸田政権はNISAの恒久化や、iDeCoの加入対象年齢の引き上げなどを検討しており、確かに投資しやすい環境を整備しているように思えます。

しかし、「貯蓄から投資」はまだまだ道半ばであり、20年近く日本人の投資意欲は向上していないことがわかります。

政府が積極的に国民に投資するよう後押ししても、国民の投資意欲はまだまだ湧き上がっていない状態なのです。

投資ニーズをビジネスとする証券業界からみると、政策が後押ししているとは言え、需要は拡大し切れていないと言えるでしょう。

若者・女性の投資意欲が増加

国民全体の預金比率からみると投資ニーズが強まっているとは判断できませんが、ここ数年で若者および女性の投資意欲が強まっていることは確認できます。

口座数日本1位の楽天証券が公表したプレスリリースによると、新規口座開設者数の6割強が30代以下、5割弱が女性となっています。

資産形成層や女性にも投資の裾野が広がっていることで、中長期的には証券業界の顧客数が増加していくことが予想されます。

証券業界の競争状況

次に、証券業界の競争状況をみていきましょう。

大手対面証券のリテール収益力は横ばい

大手対面証券のリテール収益力はここ数年横ばい、もしくは低減しています。業界1位の野村證券、2位の大和証券のセグメント別業績をみても明らかです。

下のグラフは野村證券の直近5年間の営業部門の業績を表しています。

こちらは大和証券の直近3年間の業績を表しています。(赤色のリテール部門が営業部門の業績を表しています)

大手証券の2社の動向を見ても、対面証券の営業部門の収益力はここ数年横ばいであることがわかります。

詳しくは後述しますが、顧客の高齢化やネット証券の普及によって、対面証券営業の需要が徐々に弱まっていると解釈できるでしょう。

楽天証券とSBI証券が口座数の2強に

口座数のみで証券会社の良し悪しを評価はできませんが、2021年から証券口座数の2強は楽天証券とSBI証券のネット証券2社になり、ネット証券の証券業界内でのプレゼンスは年々高まっています。

また、グラフを見てもわかるように、楽天証券とSBI証券の口座数は右肩上がりであるのに対し、野村證券、大和証券、SMBC日興証券の口座数はずっと横ばいです。

何か抜本的な対策を打たない限り、対面証券とネット証券の口座数の差は開く一方でしょう。

IFAの台頭

対面証券会社からすると、IFAの存在は無視できないでしょう。

IFAとは、Independent Financial Advisor(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の略であり、金融機関から独立して活動する資産運用アドバイザーを指します。

野村證券の営業員は野村證券が扱っている商品しか提案できませんが、IFAは複数の証券会社を業務提携することで、中立的な立場での資産運用の提案を行います。

IFAの人数は年々増加しており、特に2021年は1年間で約1,000人も増加(前年比20%増)し、金融業界でのプレゼンスを急激に高めています。

証券業界のビジネス動向

次に、証券業界の近年のビジネス動向を見ていきましょう。

富裕層ビジネスに注力

対面証券会社の多くは、富裕層部門の人員を増やしたり、富裕層向けサービスを拡充したりと、富裕層ビジネスに注力していることがわかります。

大手証券の三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長はブルームバーグとのインタビューで次のように意気込んでいます。

当社のほか野村証券や大和証券など大手対面証券5社の中で、この分野において明確にナンバーワンと呼べるところはまだいない。2023年度までの3年間で運用一任サービスのファンドラップや投資信託などストック型資産の純増2兆円を達成し、成長を加速させたい。

Bloomberg(2022年6月10日)

また、みずほ証券を抱えるみずほFGも、下記のように富裕層ビジネスへの意欲を示しています。

みずほFGは2021年12月、超富裕層向けビジネスを15年間手掛けてきた専門子会社を解散し、みずほ銀行の「ウェルスアドバイザリー」(WA)部に引き継いだ。WA部では資産額30億円超の顧客層をターゲットとしており、現在の約600ファミリーから来年度には約1000ファミリーに顧客数を拡大させたい意向だ。

Bloomberg(2022年3月28日)

野村證券と大和証券も富裕層向け投資一任サービス(ラップ商品)に注力したりと、証券会社の営業部門が富裕層ビジネスに注力しているのは明らかです。

DXへの取り組み

金融業界ではDXへの取り組みを積極化させており、証券業界でも各社が様々な技術を導入しています。

SMBC日興証券では、AIを活用した投資情報サービス「AI株式ポートフォリオ診断」を開発し、顧客本位のデジタライゼーションの実現を目指しています。

野村證券では、LINEグループとともにスマホ証券の代表格である「LINE証券」を運営したり、資産管理アプリの「One Stock」、情報配信サービスの「FinTOS!」を提供したりしています。

投資判断や情報管理のデジタル化を進めており、顧客の利便性は年々向上しています。

証券業界でも、デジタル人材の積極採用や、IT企業との提携を進めていくことが予想されます。

手数料の透明性を強化

証券業界では、手数料を開示する流れが進んでいます。

日本証券業協会は債券の一種で、高利回りをうたった「仕組み債」を取り扱う証券会社に投資家が負担するコストの開示を促す。仕組み債はリスクが高く、費用面の実態も不透明だと金融庁が情報開示を求めてきた。みずほ証券や大和証券が開示を検討している。割高とされるコストの引き下げにつながる可能性がある一方、開示の範囲が不十分との声も出ている。

日本経済新聞(2021年3月4日)

手数料ビジネスである以上、顧客が自身で負担しているコストが明確になるのは良い流れです。

証券営業の現場では、今後ますます責任感のある営業姿勢が要求されるでしょう。

証券業界の課題

次に、証券業界の課題を見ていきます。

証券業界は古い体質がまだまだ残っているため課題が山積みですが、代表的な課題は次の4点でしょう。

【証券業界の課題】

  • 顧客の高齢化
  • 優秀な人材の流出
  • ネット証券との手数料競争の激化
  • コンプライアンスの厳格化

顧客の高齢化

証券業界、特にリテール営業部門の大きな課題として、顧客の高齢化が挙げられます。

個人投資家の高齢化が止まらない。対面型の証券会社ではいまや70歳代以上の顧客が占める比率が3~4割に達するようになった。認知能力の低下といった問題に直面するなか、野村証券など大手証券は高齢層に特化した営業手法を導入し始めた。

日本経済新聞(2017年6月22日)

顧客の多くが高齢者であると、投資信託など長期運用を前提とする商品は適切ではなくなりますし、認知症など顧客理解力の低下も発生するでしょう。

日本の人口動態上の構造的な問題であるため証券業界側はどうしようもないですが、対策を打たなければ収益源となる取引手数料は先細っていくことが容易に想像できます。

優秀な人材の流出

証券業界では、優秀な人材の流出に歯止めが効かない状態になっています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、営業員を対象に最大で年収1億円を可能にする新たな人事制度を導入しました。(東京新聞(2022年6月10日))

証券業界に在籍していた人間として、報酬1億円が実現されるかはにわかに信じ難いですが、報酬制度の見直しが進んでいるのは間違いありません。

この背景としては、リテール営業の優秀な人材がM&A仲介、外資系生命保険、IFAなど歩合性の色合いが強い業界に転職していることが挙げられます。

報酬面以外でも、ビジネスモデルや評価体制についても見直しが進まなければ、証券業界の疲弊は続いていくでしょう。

ネット証券との手数料競争の激化

対面証券はネット証券と比較すると、取引手数料が高い傾向にあります。担当者がついたり店舗を設けたりとコストをかけていますから、対面証券の取引手数料が高いのは仕方ありません。

しかし今では、ネットで手軽にかつ無料で様々な投資情報に誰もがアクセスできる環境です。担当者は付加価値を提供することが難しくなってきており、高い手数料を頂戴する正当性も弱まっていると言えます。

対面証券各社は、コストに厳しい一般顧客ではなく、サービスの質を重視する富裕層開拓に舵を切っていますが、徐々に市場をネット証券に奪われているため、中長期的にはネット証券に富裕層市場までを奪われる可能性は0ではありません。

コンプライアンスの厳格化

証券営業の現場では、年々コンプライアンスが厳格化されています。

営業員は投資信託や仕組債を販売する際は、適合性や顧客意向を事細かに書類に残す必要があります。また、通録も厳しくなっているので、機動的な営業はしにくいでしょう。

全ては顧客を守るためですから良い流れと言えるのですが、営業員からすればやりづらいことは間違い無いでしょう。

証券業界の将来性

次に、証券業界の将来性について考察していきます。

証券会社は存続し続ける

まず大前提として、証券会社は存続し続けます。

ビジネスモデルや競争状況は変化する可能性はありますが、証券営業のニーズはまだまだ根強いです。これだけ競争強化、異業種参入があるなかで、収益力は微減に止まっているからです。

また、この記事ではリテール営業にフォーカスしていますが、投資銀行業務やマーケット業務は対面証券の方がネット証券よりはるかにプレゼンスがあります。

証券業界、特に対面証券の将来性を危ぶむ意見は多いですが、直接金融を担う証券業界がなくなることはまずないでしょう。

リテール営業部門は縮小される

富裕層部門への集中、DXへの対応などから、証券会社の店舗はその必要性が年々低下しています。

野村證券などを傘下に抱える野村ホールディングスが、国内店舗を大幅に削減する方針を固めた。同社の中核企業である野村證券は全国に156カ所ある店舗の統廃合を行い、店舗数を約2割削減する。店舗網には約9500人の営業担当者がいるが、約3000人を配置転換するという。

ビジネス+IT(2019年4月23日)

一昔前まではリテール営業を強めれば強めるほど収益になった証券営業ですが、今では競争の激化、顧客構造の変化などから、生産性が問われる時代に突入しています。

生産性において、人件費と店舗費は固定費として重くのしかかってくるため、コストカットは妥当な経営戦略と言えます。

対面サービスであるリテール営業がなくなるとは思いませんが、縮小されていくことはほぼ間違いないでしょう。

資産形成層と富裕層に特化できるかが鍵になる

証券営業では、ネット証券の普及によって生まれた資産形成層の投資意欲と、包括的なサービスを要求する富裕層の需要をいかに効率よく取り込めるかが鍵になります。

直接的な表現をするのであれば、以下のように判断できるからです。

  • 若年層→預り資産は少なくても、LTVは高い
  • 一般層(高齢者)→預り資産は多少あっても、収益性が低い
  • 富裕層(高齢者)→運用以外のソリューションも担当でき、収益性が高い

実際に大手証券はネット証券と連携したり、投資アプリを運営したりと、資産形成層との接点構築を図っています。

また、富裕層に対しても高級サロンを設けたり、富裕層向け商品を開発したりと、富裕層顧客の満足度向上を追求しています。

異業種との連携が強まる

大手証券会社各社は、テック企業をはじめとする異業種との連携を強めています。既述した野村證券とLINEによるLINE証券設立以外にも、数多くの大手企業同士のコラボが実現しています。

みずほ証券はソフトバンクグループと共同出資で、PayPay証券を立ち上げました。手軽に米国株投資ができるとして、若年層を中心に強く支持されています。

みずほ証券とPayPay証券
出典:みずほ証券「次世代型金融サービスの提供」

また、大和証券とクレディセゾンは、デジタルアセット担保ローンや投げ銭サービスを開発・運営するFintertech株式会社を共同設営しました。

このように、大手証券各社は異業種との連携を積極化させており、証券業以外のさまざまなサービスを開発を進めています。

業界内での再編が起きる

証券業界では、現在業界再編の動きが着実に進んでいます。

2022年6月、ネット証券最大手のSBIホールディングス(HD)とメガバンクの三井住友フィナンシャルグループ(FG)が包括的な資本業務提携を結ぶと発表しました。

本提携においては、“SBI-SMBC アライアンス”の象徴として、SBIHD の第三者割当増資を SMFG が引き受け、持株会社間の資本提携を先行して行い、両グループの更なる紐帯強化、業務提携の円滑な運営と発展の礎を築きます。

SBI証券「第三者割当増資の引受けについて(2022年6月23日)」

SMBC日興証券を抱える三井住友FGが、ネット証券最大手との連携を積極化させることで、オンラインとオフラインの両方を包括的にカバーする狙いがありそうです。

また、準大手証券の岡三証券のグループ会社である岡三アセットマネジメントは、SBIHDと合弁会社化に向けた基本合意を締結しました。

インターネット総合金融グループであるSBIグループと、岡三アセットマネジメント株式会社の合弁会社化に向けて基本合意をいたしました。グループの枠に捉われない成長戦略を推進することで基盤強化を図り、運用資産残高を大幅に拡大させることを目指し、結果として当社グループにおけるアセットマネジメントビジネスに拠る収益についても協業実施前の水準を大きく上回っていくものと考えています。

岡三証券グループ「基本合意書締結に関するお知らせ(2022年5月27日)」

上記はあくまで2つの事例に過ぎませんが、証券業界は異業種との連携だけでなく、同業種間での協業やM&Aが進んでおり、業界再編の動きが今後も加速していくことが予想されます。

まとめ

今回は証券業界の動向から課題と将来性をお伝えしました。

証券業界は大きな変革の渦中にあるため、非常にエキサイティングな環境で仕事をすることができます。証券パーソンは給与は高く転職市場でも高く評価されるので、興味のある方はチャレンジしてみると良いでしょう。

他にも証券業界や証券マンに関するコラム記事がありますので、是非ご一読くださいませ。

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