この記事では、大手デベロッパーの三井不動産の事業内容・強みと弱み・平均年収等をお伝えしていきます。
三井不動産をはじめとするデベロッパー業界に興味のある方は、是非ご参考ください。
三井不動産とは
三井不動産とは、三井グループの大手デベロッパーです。
他の大手デベロッパーと比べると、オフィスビルや商業施設分野でのプレゼンスが高いことが特徴であり、就活生からの人気も日本トップクラスです。
会社名 | 三井不動産株式会社 |
代表者 | 菰田 正信(代表取締役社長) |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 |
社員数 | 1,776名(2021年3月31日) |
会社HP | https://www.mitsuifudosan.co.jp/ |
三井不動産の業務内容
三井不動産の業務内容は次のとおりです。
【三井不動産の業務内容】
- 企画(用地取得)
- 事業(商品企画・事業推進)
- 営業(テナントリーシング)
- 運営(施設運営・管理)
企画(用地取得)
企画では、事業収支・採算を綿密にシミュレーションした上で、土地の所有者に対して売買(賃借)の提案を行います。
どの開発プロジェクトも土地の取得からスタートするので、その土地の歴史や規制等を調べ、マーケティング調査・分析を行い、土地が持つ潜在的な価値を最大限に引き出せるような企画を設計します。
事業(商品企画・事業推進)
事業では、企画で取得した土地をどのように活用するかを考えます。
- タワーマンションを中心とした住宅街
- 飲食店や専門店が揃った複合商業施設
- 高層オフィスビル
具体的にどのような建物を建てていくかを決定していきます。
三井不動産のプロジェクトは大規模開発となるケースがほとんどなので、国や地方自治体、銀行や建設会社などと連携しながら進めていきます。
営業(テナントリーシング)
営業では、完成する物件にどのようなテナントに入居してもらうか、リーシングの方針策定からテナント誘致までを行います。
例えば大型ショッピングモールであれば、場所やコンセプトに合致したアパレルショップや飲食店の誘致が必要です。
オフィスビルであれば、土地や想定賃料に合致した企業を誘致し、地域経済の動力源となる物件造りを行っていきます。
運営(施設運営・管理)
建物や街は、完成したら終わりではありません。
その時代にあった景観やコミュニティが形成すべく、施設を含めた開発地域のエリアマネジメントを行います。
完成後のプロジェクトの運営が、継続的に価値を生み出すために何より重要なのです。
三井不動産の事業内容
三井不動産の事業内容は次のとおりです。
【三井不動産の事業内容】
- オフィスビル賃貸事業
- 商業施設事業
- 投資家向け分譲事業
- プロパティマネジメント事業
- 仲介・アセットマネジメント事業
- ホテル・リゾート事業
オフィスビル賃貸事業
オフィスビル賃貸事業では、東京都心5区を中心に、国内外において所有・オーナーから転貸しているオフィスビルの賃貸を行っています。
国内トップのデベロッパーとして、毎年その年を代表するオフィスビルの開発を行っています。
今後の主なプロジェクトは下図をご参考ください。

商業施設事業
商業施設事業では、都心型商業施設など、多様な施設カテゴリーの商業施設を展開しています。
「三井ショッピングパークららぽーと」「三井アウトレットパーク」など、多くの人に認知されている商業施設を展開しています。
ここ3年のメジャーなプロジェクトは次のとおりです。
アーバンドックららぽーと豊洲 | 2020年5月29日よりリニューアル |
RAYARD MIYASHITA PARK | 2020年7月28日より順次オープン |
三井アウトレットパーク横浜ベイサイド | 2020年4月10日グランドオープン |
ららぽーとTOKYO-BAY | 2019年3月15日よりリニューアル |
COREDO室町 | 2019年9月27日グランドオープン |
三井アウトレットパーク木更津 | 2018年10月26日グランドオープン |
三井不動産の主要物件は公式サイトをご参考ください
URL:三井不動産「主要商業施設 一覧」
投資家向け分譲事業
投資家向け分譲事業では、多様な投資家向けに、オフィスビル・商業施設・賃貸マンション・ホテル等のさまざまな事業用不動産の開発、分譲を行っています。
主な顧客層は次の通りです。
- プライベートファンド
- オリジネーター
- REIT
プロパティマネジメント事業
プロパティマネジメント事業では、オフィスビル、商業施設、分譲住宅など多様な資産の管理運営業務を受託しています。
グループ会社に資産管理業の専門会社を抱えていることもあり、業界でもトップクラスのマネジメントサービスを提供しています。

仲介・アセットマネジメント事業
仲介・アセットマネジメント事業では、個人向け既存住宅や事業用不動産の仲介業や、投資機会と資産管理サービスを提供するアセットマネジメント業を行っています。
年々預かり資産残高は増加しており、三井不動産のストック収益の増加に貢献しています。

主な関係会社は次の通りです。
- 三井のリハウス
- 三井不動産投資顧問株式会社
- 三井不動産アコモデーションファンドマネジメント
- 三井不動産フロンティアリートマネジメント株式会社
- 三井不動産ロジスティクスリートマネジメント株式会社
- 日本ビルファンドマネジメント株式会社
ホテル・リゾート事業
ホテル・リゾート事業では、国内外の観光地を代表するようなホテル・リゾート施設を開発、運営しています。

沖縄のハレクラニや三井ガーデンホテルなど、国内を代表するホテルを運営しています。
三井不動産の強み
三井不動産の強みと弱みを見ていきましょう。
【三井不動産の強み】
- 事業ポートフォリオのバランスの良さ
- 賃貸収入による財務基盤
【三井不動産の弱み】
- 人材の多様性の低さ
- 意思決定の遅さ
強みから見ていきましょう。
事業ポートフォリオのバランスの良さ
三井不動産の強みとしては、事業ポートフォリオのバランスの良さが挙げられます。
特定の領域の景況感に左右されることなく、安定した収益が見込めるです。

賃貸事業、分譲事業、マネジメント事業、その他と、きれいにバランスの取れた収益構造になっていることが分かります。
不動産の賃貸市場が萎んでも分譲でカバーできますし、分譲市場が落ち込んでも賃貸でカバーできるなど、市場に左右されない財務体質になっていることは大きな強みだと言えます。
賃貸収入による財務基盤
賃貸収入が多いため、財務基盤が安定していることも三井不動産の強みです。
賃貸事業に力を入れてきた果実が実り始めましたね。

上の画像は事業ごとの業績を表していますが、賃貸事業が右肩が上がりであることが分かります。
一番下の赤字になっている事業はホテル運営などを行っている「ホテル・リゾート事業」であり、コロナウィルスによって大打撃をくらっている状況です。
このような大きな赤字事業を抱えていても、賃貸事業が安定的に大きな利益を生んでくれるので、全体の業績としては大きな営業利益を残すことができます。
家賃収入として毎月入ってくるキャッシュフローの大きさが、財務基盤を盤石にさせ、更なる事業投資を可能にしているのです。
三井不動産の弱み
人材の多様性の低さ
三井不動産の弱みとして、人材の多様性の低さが挙げられます。
高学歴ばかり、都内の学生が過半数など、層としては偏った学生を採用する傾向があるので、バックグラウンド同じような社員になります。
もちろん、優秀な学生を効率的に採用できていと言えば聞こえはいいですが、多様性によるイノベーションは生まれにくい環境だと言えるでしょう。
意思決定の遅さ
財閥系企業あるあるですが、意思決定の遅さが三井不動産の弱みとして挙げられます。
若手の裁量権の小ささを意味するので、モチベーションを重要視する現代の若手には、会社離れの材料になってしまいます。
三井不動産の平均年収
次に、三井不動産の年収について見ていきます。
今回は三井不動産が公表している有価証券報告書、及び口コミサイトに記載されている平均年収を参考にしています。
有価証券報告書でみる平均年収
三井不動産が公表している有価証券報告書に平均年収の記載があります。
年収に関する唯一の公式資料ですから、信用できます。
三井不動産の平均年収は、デベロッパーでもトップクラスの1,200万円超です。
友人によると、充実した家賃補助に加えて、モデルルームにある最新の家具等をもらえるそうなので、福利厚生等も含めるともっと高待遇と言えます。
口コミサイトでみる平均年収
次に、口コミサイトのOpenWorkで三井不動産の年収を見てみましょう。
有報の年収よりやや低いですが、回答者の多くが若手・中堅だと踏まえると納得できる値だと思います。
20代で1,000万円に到達できるので、年収は非常に良いと言えるでしょう。
三井不動産の新卒採用
三井不動産の新卒採用情報をお伝えします。
デベロッパーを目指す学生はご参考ください。
募集職種
- 総合職:プロジェクトマネジメント、組織マネジメントを行う。海外赴任や支店配属あり(約9割が東京・首都圏)
- 業務色:総合職と協働しながら主体的、積極的にプロジェクトを動かす。転居を伴う異動なし。
採用フロー
三井不動産の採用フローは次のとおりです。
【三井不動産の採用フロー】
- エントリー
- ES提出
- 適性検査
- 面接(複数回)
- 内々定
初任給と福利厚生
三井不動産の初任給と福利厚生は次のとおりです。
【三井不動産の初任給】
- 総合職:大卒255,000円、院卒290,000円
- 業務職:210,000円
生活関連制度 | 独身寮、借上社宅、住宅融資制度 |
休暇関連制度 | リフレッシュ休暇、育児・介護休暇、産前産後休暇 |
資産関連制度 | 持株会、財形貯蓄制度 |
おすすめの就活サービス
三井不動産などのデベロッパーを目指すにあたって、おすすめの就活サービスは【Abuild就活】です。
【Abuild就活】では、外資系投資銀行や人材会社元社長を始めとした優秀なコーチ陣が、三井不動産をはじめとする難関企業への内定獲得をフルサポートしてくれます。
【Abuild就活の特徴】
- 2020年の新しいサービスでありながら、外資系投資銀行をはじめ、総合商社やデベロッパーへの内定実績が豊富。
- 採用側の意見を基に作成された個別プログラムと就活コーチングによって、3ヶ月間でハイレベル就活生へと成長可能。
- 専属のコーチが毎日サポート。就活相談はもちろんのこと、心理面のサポートも充実。
- 内定獲得サポートに自信があるため、無内定であれば全額返金(※一部条件あり)
学歴フィルター
三井不動産は難関企業であるため、学歴フィルターは確かに存在ます。
東大や早慶がボリューム層であり、採用大学の多くは高学歴です。
しかし、日本女子大学や立教大学などMARCHレベルでの採用実績もあることから、超高学歴でなくても内定を獲得することは十分可能です。
先述した就活サービスを利用するなどして、徹底的に対策していきましょう。
三井不動産への転職
三井不動産のキャリア採用情報をお伝えします。
デベロッパーへの転職を検討している方はご参考ください。
募集ポジション
三井不動産は、2021年12月時点において下記のポジションを募集しています。
- 総合職:オフィスビル、商業施設、ホテルリゾートの企画・開発・営業・運営ならびにコーポレート(総務・経理・広報・人事ほか)業務等に従事
- 技術職:デジタルの専門家として、あらゆる分野の仕事に従事
転職サービスを通して様々なポジションを通年で募集しているため、本気でデベロッパーを目指す方は転職サービスを利用すると良いでしょう。
有利になる資格
三井不動産へ転職するにあたって有利になる資格は次の通りです。
- 宅地建物取引士(宅建):不動産業界全般の知識が身に付く。半強制的に取得する。
- 再開発プランナー:都市再開発に関する知識が身に付く。国内唯一のデベ向け資格。
- 不動産証券化協会認定マスター:不動産投資に関する知識が身に付く。運用業務で有利に。
上記の資格は三井不動産に転職する上で有利になるので、積極的に挑戦しましょう。
当サイトでは各種資格の勉強法についても詳しく解説しているので、併せてご参考ください。
おすすめの転職サービス
三井不動産などのデベロッパーへの転職を目指すにあたって、おすすめの転職サービスは「CareerSuite」と「リクルートエージェント」です。
「CareerSuite」は、三井不動産など大手企業の現役社員・OBOGと繋いでくれるサービスであり、キャリア相談から面接対策まで、三井不動産の在籍経験者がフォローしてくれます。
転職希望先の内部情報やリアルを知っている現役社員・OBOGほど、情報収集先としてふさわしい相手はいません。リアルでのコネクションがない方に特におすすめです。
【CareerSuiteのメリット】
- 転職相談ベースで気軽に利用できる
- キャリアプラン作成、情報収集、面接対策まで徹底サポート
- 外銀、大手証券、総合商社など有名企業の現役社員・OBOGが多数登録
- コンサル、VCなどの非公開求人多数

また、「リクルートエージェント」もデベロッパー希望者におすすめの転職サービスです。求人数が業界トップであり、全業種/職種の求人から自分にあったものを選ぶことができます。
【リクルートエージェントのメリット】
- 公開求人12万件超/非公開求人18万件超と業界トップの求人数を誇る
- 書類の添削や面接対策のフォローが充実している
- 条件交渉に積極的で頼りになる

どちらも非公開求人を多数を扱っているので、無料登録して全求人を確認してみましょう!
社員の評判
優秀な社員と一緒に働けることは日々刺激的で楽しいです。
それなりの大学を出た方がほとんどですが、職場では自分以上に頭のキレる人がとっても多く、モチベーションは常に高く仕事できています。
自分の仕事や会社にプライドを持っている社員も多く、自然と自分も個のため組織のためとパフォーマンス向上を目標にするようになります。
産休育休制度は当然のように整っており、多くの女性が活用しています。
加えて、産休からの復帰率がとても高いので、女性の働きやすさはピカイチです。
今では女性の管理職も増えてきたので、キャリアを諦めることなく女性としての幸せを実現することができます。
デベロッパーあるあるですが、自分が携わったプロジェクトが完了し、いざプライベートで赴くとやっぱり感慨深いですよ。達成感はかなりあります。
当社のプロジェクトは地域の代表的な建物になるケースがほとんどなので、プライドある社員が多いのも頷けます。
働き方もホワイトデWLBも良いので、離職率はかなり低い印象がありますね。
三井不動産のニュース
三井不動産に関する直近のニュースをまとめております。
「&MOVE」を商業施設・ホテル・マンションへ導入
三井不動産株式会社、株式会社ShareTomorrowは、複数の移動手段を組み合わせて提供するMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を不動産に導入する不動産MaaSの新サービス「&MOVE」を立ち上げ、第一弾として、三井不動産グループが開発・運営する商業施設・ホテル・マンションへの導入を開始します。各施設のお客様に向けて、2019年より資本業務提携を行っているMaaS Global社のアプリと、コミュニケーションアプリを活用し、コロナ禍を契機に加速するライフスタイルの多様化に応えるサービスを提供します。
引用元:三井不動産(2021年12月22日)
「三井ショッピングパークららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター」開業
三井不動産株式会社は、今般、マレーシアクアラルンプールにて商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと ブキッ・ビンタンシティセンター(BUKITBINTANG CITY CENTRE)」(以下、「ららぽーと BBCC」)を開業することをお知らせします。当社は日本国内で培ったノウハウや経験に基づき、上海・台湾含めアジア諸国における商業施設事業を積極的に展開しています。マレーシアにおいても、日本発のショッピングモールとして、新たな顧客体験を創出し、文化・トレンドの発信拠点となる施設を目指してまいります。
引用元:三井不動産(2021年12月16日)
CDP気候変動のAリスト(最高評価)に認定
三井不動産株式会社は、国際的な環境調査・情報開示を行う非営利団体であるCDP(本部:英国ロンドン)より、気候変動部門において最高評価にあたる「CDP2021気候変動A リスト」企業と認定され、気候変動に対する活動において世界的な先進企業として評価を受けました。2021年度は、世界で200社、日本では当社を含む55社が気候変動Aリストに選定されました。
引用元:三井不動産(2021年12月9日)
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