この記事では、大手デベロッパーのヒューリックの事業内容・強みと弱み・平均年収等をお伝えしていきます。
ヒューリックをはじめとするデベロッパー業界に興味のある方は、是非ご参考ください。
ヒューリックとは
ヒューリックとは、芙蓉グループの大手デベロッパーです。みずほグループとの関係が強いことでも知られています。
銀座・渋谷エリアに数多くのオフィスビルを保有しており、特に不動産賃貸分野で高いプレゼンスを誇っています。
会社名 | ヒューリック株式会社 |
代表者 | 吉留 学(代表取締役社長) |
所在地 | 東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号 |
社員数 | 184名(2020年12月時点) |
会社HP | https://www.hulic.co.jp/ |
ヒューリックの事業内容
ヒューリックの事業内容は次のとおりです。
【ヒューリックの事業内容】
- 不動産賃貸事業
- 開発・建替事業
- CRE事業
- VA事業
- 4K事業
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、東京23区を中心に保有・管理する物件を貸し出すことで収益を得るビジネスです。
駅近の優良立地に次のような施設を保有しています。
- オフィス
- 商業施設
- ホテル
- 高齢者施設
- 賃貸住宅等

ヒューリックの特徴としては、都心で駅近の高収益物件に集中して投資しているところであり、ポートフォリオの収益力が高いことで知られています。
不動産の取得、運用、開発、建替を丸々実行することで、事業会社向けの物件を中心としたポートフォリオでも低い空室率を保っています。

開発・建替事業
開発・建替事業では、容積率を最大限に活用し立地に適した建替を計画的に実行し、賃料収入の増強を目指していきます。
ヒューリックが培ってきたノウハウを集結させ、新規の物件取得・開発・売却を通じた付加価値創出の実現を目指しいきます。
また、国が保有する不動産の有効活用支援(PPP事業)も行っており、これまで数多くの有名物件の運営を支援した実績があります。
※PPP事業:Public Private Partnership

【PPP事業の実績例】
- 奈良県養徳学舎
- 芝浦水再生センター
- 北海道東京事務所
- 京都市元立誠小学校
- 奈良県高畑町裁判所
CRE事業
CRE事業とは、Corporate Real Estateの略であり、法人顧客が保有する不動産の有効活用を支援する事業です。

主に提案するソリューションは次のとおりです。
セル&リースバック | お客様の不動産を購入し、賃貸に回す |
建替サポート | 建替、リーシング等を代行 |
共同開発・投資 | 不動産所有リスク、資金負担を共同分担 |
バリューアップ支援 | リニューアルによるバリューアップ |
土地賃借 | 土地を借り上げて地代を支払う |
ウェアハウジング | 不動産の先行取得を行い取得時期を調整 |
VA事業
VA事業は、バリューアッドのことであり、ニューアルやリノベーション、コンバージョンを行うことで物件の価値を最大限に高めることを目指すします。

経年劣化する建物のポテンシャルを顕在化させ、機能やデザインを改善させることで収益性を高めていきます。
(バリューアッド事例)
改装、リニューアル | 建物のデザイン・仕様を時代とマーケットにあったものへと一新 |
コンバージョン | 時代に合った最適な用途・建物形態に変更 |
遵法性、耐震性の回復 | 竣工以降の経年の中で抱えた遵法性や耐震性の課題を是正 |
リテナント | ターゲット層にとって最適なオペレーターやテナントへ変更 |
4Kビジネス事業
4Kビジネス事業とは、次の4つの事業を指しています。
【4Kビジネス事業】
- 高齢者ビジネス
- 観光ビジネス
- 環境ビジネス
- 子供ビジネス
それぞれの具体的な事業内容は次の通りです。
高齢者ビジネス | 高齢者施設の供給スマートシニアハウジングの開発医療関連施設への投資 |
観光ビジネス | ホテル・旅館の開発・運営ホテル投資 |
環境ビジネス | 太陽光発電設備の供給耐火木造建築ビルの開発 |
子供ビジネス | 未定(リソー教育、キッズスマイルHDと業務提携) |
ヒューリックの強み
ヒューリックの強みと弱みを見ていきましょう。
【ヒューリックの強み】
- 資金力が高い
- 社員の生産性が高い
【ヒューリックの弱み】
- 不動産事業に依存している
- 新規事業への展開力
強みから見ていきましょう。
資金力が高い
ヒューリックは芙蓉グループの企業ということもあり、高い資金力が強みとして挙げられます。
銀座エリアや渋谷エリアの高級物件を取得して、付加価値を高めて売却する。このような莫大な買収資金を必要とするビジネスを展開できるのは、ヒューリックの高い資金力のおかげだと言えます。
参考までに、ヒューリックは2021年に取得した物件は次の通りです。聞いたことある物件も多いと思います。

社員の生産性が高い
社員の生産性の高さも、ヒューリックの強みの一つです。

ヒューリックは他の大手デベロッパーと比較すると社員数が圧倒的に少ないことで有名であり、新卒採用人数を10人未満とする年もあるほどです。
相当厳選された人材のみが入社しているので、社員一人当たりの生産性は平均年収の高さに反映されています。(平均年収については後述します)
ヒューリックの弱み
不動産事業に依存している
ヒューリックの弱みとしては、不動産事業に依存している経営体質が挙げられます。
下の資料は2020年12月期の決算資料に記載されている「セグメント別収益」ですが、不動産事業で90%以上の収益を生んでいることが分かります。

先述した4Kビジネス事業にもあるように、ヒューリックは事業拡大に積極的に取り組んでいるので、今後は不動産事業への依存度は弱まるでしょう。
新規事業への展開力が弱い
新規事業への展開力の弱さも、ヒューリックの弱みとして挙げられます。
現状事業拡大をしているとは言え、スピード感は遅いので、事業が育たないことが長年の課題として認識されています。
社員が少ないので新規事業に人員を割けない、かといって新規事業にリソースを割くと個人の収益性が弱まる。難しい局面に立っていると言えます。
ヒューリックの平均年収
次に、ヒューリックの平均年収を見ていきましょう。
今回はヒューリックが公表している有価証券報告書、及び口コミサイトに記載されている平均年収を参考にしています。
有価証券報告書でみる平均年収
ヒューリックが公表している有価証券報告書に平均年収の記載があります。
ヒューリックの平均年収は1,700万円強です。
他の大手デベロッパーと比較しても、頭ひとつ抜けています。
口コミサイトでみる平均年収
次に、口コミサイトのOpenWorkでヒューリックの平均年収をみてみましょう。
有報の年収よりかなり低いですが、回答者の多くが若手だと踏まえると納得できる値だと思います。
ヒューリックの新卒採用
ヒューリックの新卒採用情報をお伝えします。
デベロッパーを目指す学生さんはご参考ください。
募集職種
総合職:開発プロジェクトのプランニングから建築監理までのデベロッパー業務、および不動産賃貸事業に付随する業務
採用フロー
ヒューリックの採用フローは次のとおりです。
【ヒューリックの採用フロー】
- ES提出
- 書類選考
- 適性検査
- 個人面接
- 内々定
初任給と福利厚生
ヒューリックの初任給と福利厚生は次のとおりです。
【ヒューリックの初任給】
- 大卒:255,000円
- 修了:290,000円
生活関連制度 | 独身寮、住宅ローン利子補給制度、保養寮、ベビーシッター利用支援制度 |
休暇関連制度 | 育児・介護休暇、産前産後休暇、特別休暇 |
資産関連制度 | 財形貯蓄制度、持株会、退職一時金 |
おすすめの就活サービス
ヒューリックなどのデベロッパーを目指すにあたって、おすすめの就活サービスは【Abuild就活】です。
【Abuild就活】では、外資系投資銀行や人材会社元社長を始めとした優秀なコーチ陣が、ヒューリックを始めとする難関企業への内定獲得をフルサポートしてくれます。
【Abuild就活の特徴】
- 2020年の新しいサービスでありながら、外資系投資銀行をはじめ、総合商社やデベロッパーへの内定実績が豊富。
- 採用側の意見を基に作成された個別プログラムと就活コーチングによって、3ヶ月間でハイレベル就活生へと成長可能。
- 専属のコーチが毎日サポート。就活相談はもちろんのこと、心理面のサポートも充実。
- 内定獲得サポートに自信があるため、無内定であれば全額返金(※一部条件あり)
学歴フィルター
ヒューリックは難関企業であるため、学歴フィルターは確かに存在ます。
旧帝大学、早慶、大学院生が内定を獲得するケースが多いです。
しかし、日本大学や明治学院大学など難関大学以外からの採用実績もあることから、非高学歴でも挑戦することは十分可能です。
先述した就活サービスを利用するなどして、徹底的に対策していきましょう。
ヒューリックへの転職
ヒューリックのキャリア採用情報をお伝えします。
デベロッパーへの転職を検討している方はご参考ください。
募集ポジション
ヒューリックは、2021年12月時点において下記のポジションを募集しています。
- アクイジション
- 開発業務
- 新規事業開発業務
- 商業施設開発業務
転職サービスを通して様々なポジションを通年で募集しているため、ヒューリックをはじめとするデベロッパーを目指す方は転職サービスを利用すると良いでしょう。
有利になる資格
ヒューリックへ転職するにあたって有利になる資格は次の通りです。
- 宅地建物取引士(宅建):不動産業界全般の知識が身に付く。半強制的に取得する。
- 再開発プランナー:都市再開発に関する知識が身に付く。国内唯一のデベ向け資格。
- 不動産証券化協会認定マスター:不動産投資に関する知識が身に付く。運用業務で有利に。
上記の資格はヒューリックに転職する上で有利になるので、積極的に挑戦しましょう。
当サイトでは各種資格の勉強法についても詳しく解説しているので、併せてご参考ください。
おすすめの転職サービス
ヒューリックなどのデベロッパーへの転職を目指すにあたって、おすすめの転職サービスは「CareerSuite」と「リクルートエージェント」です。
「CareerSuite」は、ヒューリックなど大手企業の現役社員・OBOGと繋いでくれるサービスであり、キャリア相談から面接対策まで、ヒューリックの在籍経験者がフォローしてくれます。
転職希望先の内部情報やリアルを知っている現役社員・OBOGほど、情報収集先としてふさわしい相手はいません。リアルでのコネクションがない方に特におすすめです。
【CareerSuiteのメリット】
- 転職相談ベースで気軽に利用できる
- キャリアプラン作成、情報収集、面接対策まで徹底サポート
- 外銀、大手証券、総合商社など有名企業の現役社員・OBOGが多数登録
- コンサル、VCなどの非公開求人多数

また、「リクルートエージェント」もデベロッパー希望者におすすめの転職サービスです。求人数が業界トップであり、全業種/職種の求人から自分にあったものを選ぶことができます。
【リクルートエージェントのメリット】
- 公開求人12万件超/非公開求人18万件超と業界トップの求人数を誇る
- 書類の添削や面接対策のフォローが充実している
- 条件交渉に積極的で頼りになる

どちらも非公開求人を多数を扱っているので、無料登録して全求人を確認してみましょう!
社員の評判
不動産業界でもかなり大きなプロジェクトに携われるので、やりがいはあります。
都心の物件を扱うことが多いので、自分の仕事の成果物を目にできる。意外に嬉しいものですよ。
精密な分析力やスキーム構築力はもちろん、様々なステークホルダーを巻き込む社交性も要求されるので、社会人として大きく成長することができます。
女性向けの福利厚生制度が充実しています。
育休産休は当たり前に取得できますし、子供と一緒に出勤して社内の保育所に預けることもできます。
ワークライフバランスは非常に整備されています。
休日出勤はほとんどないですし、有給の取得率は毎年70%を超えています。仕事のオンオフがはっきりしている会社です。
仕事を優先したい方、プライベートを優先したい方向けの職種もあるので、社員のライフプランに柔軟に対応する姿勢が受け取れます。
やばいと言われる要因
元々銀行の不動産管理業務から派生している会社であるためか、不動産業界に対するパッションやビジョンというよりも、収益性向上に熱意を注ぐ方が多い印象があります。
近年は、不動産の家賃収入ではなく売却益で収益を補完している印象があり、いつか息切れする時がきます。
とはいえ、元々優秀な人材が揃っているので、一度経営方針を変更すれば事業環境に柔軟に対応できると思っています。
先進的な物件を運営しているのに対して、仕事の進め方は古典的です。
銀行やゼネコンの管理職から転職している方が多く、仕事の進め方が堅くなって非効率だと感じる若手が少なくありません。
この点に危機感を持っていないのか、経営陣は特段対策を施していないので、若手が不満を持つ環境は続きそうな気はする。
ヒューリックのニュース
ヒューリックに関する直近の重要なニュースをまとめております。
コーポレートベンチャーキャピタル事業の開始
当社は、このたび、スタートアップ企業との共創によるイノベーションの実現と既存事業の差別化を狙い、新たにコーポレートベンチャーキャピタル事業を開始いたします。事業開始に伴い、「ヒューリックスタートアップ株式会社」を新設し、第1号 CVC ファンドとして「ヒューリックスタートアップ 1号投資事業有限責任組合」を組成いたしましたのでお知らせいたします。
引用元:ヒューリック(2021年11月30日)
株式会社 ABEJA との資本・業務提携契約を締結
今般、当社は株式会社 ABEJAが発行する株式のうち 4.9%(完全希釈化後株式比率)を既存株主からの譲渡により10月28日に取得し、資本・業務提携契約を締結しましたので、お知らせ致します。ABEJAは、高度なデータ分析、モデル構築、AI プラットフォーム開発・実装まで一気通貫でサービス提供可能な点が強みであり、200社以上の様々な業界におけるAI・DX実装の実績があり、豊富な経験値とビジネス感覚をもった優秀な人材も多数在籍しています。ABEJAの優れた人材・技術・豊富な実績は、今後の DX 推進において必要不可欠であると判断し、本業務提携を締結するに至りました。
引用元:ヒューリック(2021年11月25日)
東京都との連携協定の締結について
今般、当社は東京都との間で、「5Gアンテナ基地局等設置促進の取組に係る連携事業協定」を締結することといたしましたので、お知らせいたします。東京都では21世紀の基幹インフラで、世界最速のモバイルインターネット網である「TOKYO DataHighway」1の構築を推進しており、その中で本協定は、当社の保有する都内の不動産を積極的に活用し、5Gネットワークを早期構築することを目的としております。本協定により、「Society5.0」2「新たな産業の創出」「都市力強化」の実現を掲げる東京都の取組みに協力してまいります。
引用元:ヒューリック(2021年11月18日)
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