証券アナリスト(CMA)財務分析科目の要点をまとめております。
第3回は、監査意見の種類と定義について解説していきます。
証券アナリスト資格についてや、各科目の勉強方法、おすすめの教材については下記の記事をご参考ください。
〈第2回「制度会計とディスクロージャー制度」は次の記事をご参照ください〉
監査意見とは
会社法や金融商品取引法が開示要求している資料には、有価証券報告書や財務諸表など数多くありましたね。
しかし、これらの書類が本当に正しいかどうかは誰が判断できるのでしょうか?
それこそ私たち個人と会社側とではあまりにも情報格差があり、開示している内容が正しいかなんて判断つきません。
そこで監査意見の出番です!
監査意見:監査法人や公認会計士など会計監査人が、企業の作成した財務諸表や内部統制報告書の監査結果について、監査報告書に表明する意見のこと
野村證券
企業が作成した財務書類や開示情報について、会計の専門家が公平にかつ厳格にチェックします。
チェックした結果、監査法人(または公認会計士)は情報の整合性や信憑性を度合いに応じて評価を下します。これが監査意見なのです。
評価に応じて監査意見は4つに大別されます。試験頻出なので要暗記です。
監査意見の種類
無限定適正意見 | 重大な不正や誤謬が確認されなかった場合の意見表明 |
限定付適正意見 | 不正や誤謬は発見されたものの、全体としては信頼しうると判断できる場合の意見表明 |
不適正意見 | 監査手続きを実施した結果、財務諸表の渡り重大な不正や誤謬が見られた場合の意見表明 |
意見差控 | 監査手続きが実施できず、財務諸表に対するコメントができない場合の意見表明 |
無限定適正意見
無限定適正意見は、監査手続きで重大な不正や誤謬が確認されなかった場合の意見表明です。
監査法人が「この情報の確度90点以上です。信じても大丈夫ですよ」とのお墨付きを与えていますので、投資家や債権者は安心して開示資料を確認することができます。
限定付適正意見
限定付適正意見は、監査手続きを実施した結果、見逃せない不正や誤謬は発見されたものの、全体としては信頼しうると判断できる場合の意見表明です。
監査法人が「この情報の確度60点以上です。注意は必要ですが、概ね信じても大丈夫ですよ」とのお墨付きを与えています。
不適正意見
不適正意見は、監査手続きを実施した結果、財務諸表の全体にわたり重大な不正や誤謬が見られた場合の意見表明です。
監査法人が「この情報の確度0点です。信じてはいけません」と注意していますので、確認するに値しません。
意見差控
意見差控は、監査手続きが実施できず、財務諸表に対するコメントができない場合の意見表明です。
監査法人が「この会社は監査させてくれなかったので、意見表明することができません」とお手上げ状態のときに表明されます。
監査のコラム:東芝事件
2015年5月に東芝が粉飾決算をして信頼を失墜させる事件がありました。この時東芝を監査していた監査法人も大きく信用を失いました。
東芝を監査していた新日本監査法人は、課徴金として東芝から受け取った2期分の監査報酬相当のおよそ21億円、そして3ヶ月の新規契約の禁止などを科されました。とんでもないですね…
監査意見を表明する監査法人も本気でチェックしないと自分達の信頼が失墜するので、死に物狂いで監査するのですね。
ここで、第3回「監査意見の種類と定義」は終わりです。
最後に
證券アナリストなど、各種資格を効率的に取得されたい方は、資格スクールを受講するのも有意義です。
ただし、独学より費用は高くなってしまうので、資料請求して、しっかり吟味してから受講することをおすすめします。
スクール | ポイント |
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