証券アナリスト(CMA)財務分析科目の要点をまとめております。
第23回は、外貨建項目と外貨建財務諸表の換算について解説していきます。
証券アナリスト資格についてや、各科目の勉強方法、おすすめの教材については下記の記事をご参考ください。
〈第22回「販売形態別の収益認識基準」は次の記事をご参照ください〉
外貨建項目の換算
外貨建取引の会計処理
外貨建取引は、取引発生時の為替相場による円換算額をもって記録します。具体的には二取引基準を現行制度では採用しています。
二取引基準とは、外貨建取引と当該取引に係る代金の円決済取引とを別個の取引とみなして会計処理を行う考え方です。
二取引基準では、為替換算差額と為替決済差額(為替差額)は為替差損益として計上します。
そして決算時に発生する為替差損益と決済時に発生する為替差損益とを分離して処理・表示するのではなく、両者を一括した「為替差損益」とします。つまり相殺するのですね。
決算時の外貨建項目の換算方法
決算時の外貨建項目の換算方法に次の4つがあります。

※CR:Current Rate、HR:Historical Rate
外貨建項目の換算基準
外貨建取引等会計処理基準によれば、金融商品の決算時の換算は、次のように行われます。

外貨建財務諸表の換算
在外支店の財務諸表の換算
在外支店の財務諸表項目の換算は、原則本店と同様の換算方法を適用します。在外支店の財務諸表項目の換算方法を示すと次のようになります。
項目 | 換算方法 |
---|---|
金銭債権債務、有価証券 | 本店の換算基準によって換算 |
非貨幣項目 | 取得原価で記録されているものは取得時レート(HR)、 取得原価以外の価額で記録されているものは為替レート(テンポラル法) |
収益・費用 | 本店と同じく発生時レート(HR)で換算するが、期中平均レート(AR)による換算も認められています。 |
換算差額等の処理 | 換算によって生じた差額は為替差損益として処理 |
在外子会社の財務諸表の換算
在外子会社の財務諸表の換算には、決算日レート法が採用されています。
決算日レート法とは、在外子会社が存在する国の通貨によって作成された財務諸表を尊重し、各項目間の関係を変えることがないようにする方法です。
在外子会社の財務諸表の換算方法は次の通りです。
項目 | 換算方法 |
---|---|
資産・負債 | 決算時レート(CR) |
親会社に対する債権債務 | 親会社が換算に用いる為替レート |
純資産 | 親会社による株式取得時の為替レート(HR)取得後に生じた項目については、当該項目の発生時の為替レート(HR) |
為替換算調整勘定 | B/S上の換算差額は純資産の部に計上 |
収益・費用 | 原則:期中平均レート(AR) 例外:決算時レート(CR) |
当期純利益 | 原則:期中平均レート(AR) 例外:決算時レート(CR) |
親会社との取引による収益・費用 | 親会社が換算に用いる為替レート。この場合に生じるP/L上の換算差額は為替差損益とします |
ここで、第23回「外貨建項目と外貨建財務諸表の換算」は終わりです。
最後に
證券アナリストなど、各種資格を効率的に取得されたい方は、資格スクールを受講するのも有意義です。
ただし、独学より費用は高くなってしまうので、資料請求して、しっかり吟味してから受講することをおすすめします。
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---|---|
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