知っているようで知らないS&P500
米国株投資をしていれば知らない人はいないであろうインデックスがS&P500でしょう。
ところで、S&P500が何ものかご存知ですか?
インデックス投資はインデックスなど知らなくていいとおっしゃる方もいらっしゃいます。
ですが、何ものかを知ってお金を投じるのと、知らずに投資するのではインデックス投資との向き合い方が違うようにも感じます。
せっかくですので、少し中身を知っていただけたらと思います。
S&P500とは
改めて申し上げると、S&P500はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している浮動株ベースの時価総額加重平均型株式インデックスです。
ちなみに一般ニュースで値が紹介されることが多いNYダウもS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。
S&P500は、米国の大型株500銘柄で構成され、米国市場の時価総額の約80%をカバーしています。このカバー率により米国株を代表するインデックスと呼ばれることが多いです。
1957年3月4日に算出が開始され、値は1928年1月3日までさかのぼっているため、100年近いレコードがあります。
値は直近5年で2倍以上に上昇しています。
この推移により、何を買うか迷ったらS&P500連動商品を買っておけ!と言われるようになったのでしょう。
実際、円建ての連動ETFや投資信託が多く、日本にいても手軽に米国株投資ができますし、つみたてNISAに該当している商品もあります。

S&P500の算出要領
S&P500に限らず、インデックスには銘柄選定や算出ルールがあり、ポピュラーなインデックスはそれが公表されています。
S&P500に関しては「S&P 米国株価指数メソドロジー」に記載があります。
親切なことに日本語版もあります。
S&P500の採用条件
ではS&P500の採用条件を確認しましょう。
【SAP500の採用条件】
- 米国企業でS&Pが指定している米国の証券取引所に上場していること
- 時価総額が131億ドル以上(2021年末現在)
- 四半期連続で黒字利益を維持している
- 浮動株調整係数が一定基準以上であり、一定の流動性があること
1.は米国市場には米国以外の企業も上場しているので、敢えて設けられている条件でしょう。
2.はマーケットの状況に応じてしきい値が変わります。ときおり古い基準で記載されている記事等が見受けられますので、算出要領を見て都度必ず確認してください。
ちなみに現在は131億ドル以上です。日本株になぞらえると1兆4,000億円程度以上ということになります。日本株で該当する銘柄は110銘柄程度しかありません。
3.はしっかり儲けられない企業はS&P500に入れてあげないよという基準です。この辺りが日経平均株価やTOPIXとは違う点で、インデックスとしてS&P500は優秀だなと思わされます。
4.は少し式が複雑ですので詳細を省略しますが、それなりに売り買いできる銘柄でなければならないという条件だと理解してください。
この4つの条件を満たした銘柄に関して、独自の委員会が採用・除外を決定しています。
なお、普通株だけではなくREITも採用されています。
採用銘柄は3の倍数月に見直されます。
結論:適度にスクリーニングされているのがS&P500
つまり、S&P500は米国の上場企業を採用条件でふるいにかけた結果だということです。
日経平均株価が考慮しているセクターのバランスは問いません。
- 大型で
- 流動性があって
- きちんと儲かっている
上記の企業が採用されるということです。
だから、投資家の買いを集め、値が上昇するといういい循環ができているインデックスなのです。
[…] 今更でも確認しておきたいS&P500構成銘柄採用ルール […]
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