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10/25〜29の米国決算のポイント

10/25〜29日に発表された米国企業の決算とマーケットイベントについて解説していきます。

今週解説している米国企業は次の通りです。

今回解説している米国企業

  • Facebook(Meta)
  • UPS
  • AMD
  • Google(Alphabet)
  • Visa
  • Microsoft
  • Cocacola
  • Apple
  • Amazon
  • Starbucks
  • TI
  • サムスン

FaceBook(10/25)

まず、Facebookから。売上+35% EPS+19%と増収増益。市場の反応としては時間外では一時上昇したものの翌日の市場では下落という展開。

同社のような広告関連企業で重要なのはMAU(Monthly Active Users つまりユーザー数)だが、このユーザー数に関しては7-9月は好調だった(現時点でユーザー数は28億人で市場予想を上振れ)

一方翌日に下落に転じた件に関しては、広告収入に陰りが見えること。10-12月の収益見通しを公開したのだが、その予想が若干弱かったことが意識された。

要因としてはコロナ関連要因やマクロ的な経済逆風もあげられるがやはり意識されているのはAppleの方針転換でユーザー情報が獲得できなくなったことによるターゲティング広告の成長鈍化。

またFacebookの株価が決算前から大きく下落していた件、つまり内部文書の流出に関しては、同社の収益性に疑問を抱くような内容もあった。

それが米国若年層がどんどんFacebookサービスを使わなくなっているということ。今後2年間で米国の10代のユーザーの45%が減少するという見通しだとされていたことも、最近のFacebookの株価下落要因となっている。

Facebookの決算で示されているのがやはりAppleのユーザー情報独占の方針転換だ。スナップチャットの決算でも見られた点だが、ここ最近のAppleのユーザー情報隠匿の方針ではこれまでユーザー情報を獲得し、そのユーザーをターゲットとした広告を流すというビジネスを行ってきた企業に大きな逆風となっていることが確認できた。

スナップチャットほどの利益減少は他の広告企業決算では確認できなかったものの、多少の影響はGoogleやFacebookですらもあるというのは、今後のリスクとして認識しておきたい。

またFacebookといえば今後の設備投資方針を抑えておくことが大事になってくる。Facebookは社名をメタに変更することを発表したが、このメタという言葉は仮想空間であるメタバースプロジェクトを進める方針を示したものでもある。

このメタバースプロジェクトや、今後の成長のために設備投資を特にデータセンター・ネットワークインフラに注力すると発表。

この設備投資方針を受け、受注が大きく増える見通しとなったNVIDIA、AMDなどの半導体関連銘柄が大きく上昇した。新規事業とそれに関連する銘柄に大きな影響を今後も与える可能性には留意しておこう。

Google(10/26)

また広告関係企業といえば、グーグルの決算も発表されている。

Google決算は売上+41%、EPS+81%と好決算となった。四半期ベースでは過去最高益を更新している。主力である検索連動広告・YouTube事業が好調だった。

広告事業はAppleのユーザー情報秘匿方針による影響が出る可能性も懸念されていたが、Googleに関しては影響は限定的なものにとどまっていた。

Appleの方針返還の影響はやはりすべての広告関連銘柄にみられてはいるものの、その影響度は大きく銘柄ごとに異なることが確認できる決算だった。

UPS(10/26)

次にUPS(ユナイテッド・パーセルサービス)の決算を見ていこう。UPSは全米で貨物運送を行う大手企業だ。この企業の決算を見ることで米国の輸送状況がわかる。

つまり製造業の様子から消費動向、現在注目されている輸送業界の人手不足状況まで把握できるため、重要銘柄となっている。

UPSの今期の決算は増収増益で市場予想を上振れた決算だった。背景としては輸送価格の値上げに加え、活況なECによる配送需要が好決算の要因となった。

UPSとライバルのFedexはここ最近、コロナによるEC需要の急激な高まりによる莫大な配送量に対応するため大幅な値上げを実施。それでも配送需要が大きく上昇しており、今回決算でも輸送量自体はコロナ全盛期であった前年同期から2%減少を見せたものの、配送単価が13%上昇したことにより増収となった。

UPSは従業員に対する賃金がやや高いため、業界全体ではびこっている人手不足がそこまで打撃を与えていないようだ(賃金が高いので、その分人が残りやすい)。

また年末商戦に向けて10万人の新規雇用計画も発表。設備投資金額も引き上げるなど、今後の消費拡大を見越した動きを見せている点に注意したい。

Starbuks(10/28)

消費関連でいえば、スタバ、コカ・コーラとVisaの決算にも注目したい

まずスタバの決算では、ほかの銘柄でも見られているようなコストの増加が確認された。

  • 原材料費
  • 輸送費
  • 人件費

コストの増加は上記の要因で発生しており、米国の労働市場のゆがみと原油高などを背景としたインフレの余波を受けているもの。

労働市場のゆがみの根本要因は米国の失業給付金の上乗せによるものだが、今年夏に肝炎に上乗せ期間が終了していたので、今後は改善方向に進むとみられるが、いったん今回決算期間では大きなダメージになった模様だ。

Cocacola(10/28)

またインフレが意識されている銘柄としてはコカ・コーラも決算を出した。

コカ・コーラは外食での消費や、イベントでの消費が非常に多い商品のため、今回決算ではコロナ収束に伴うコーラの消費機会の増加が好決算の要因となった。

一方で、コーラに関してもインフレによる原材料費や輸送費の高騰で、利益率が悪化している点には注意したい。ただ、これはペプシコなど他の銘柄でも共通してみられるためサプライズはない。

コカ・コーラ単体でいえば、しっかりと値上げを行えており、今後も値上げをするスタンスを発表しているため、懸念は特段無い決算だった。

VISA(10/26)

もう一つの消費関連銘柄の決算は『Visa』だ。

Visaは世界的なコロナ収束に伴う景気回復によりカード利用額が大きく増加し、増収増益の好決算となった。

一方で株価反応は7%近い下落と市場からは嫌気されている。その要因としては、依然とした国境閉鎖が今後も収益性を低下させるとの見方だった。

収益性の高いクロスボーダー取引がふえないことを嫌気されている点にこの企業は着目していこう。

サムスン・AMD・

続いて半導体に視点を移してみよう。今週出た半導体銘柄動向で注意したいのは

サムスン・AMD・TI

まずそれぞれを軽く総括すると、

  • サムスン:半導体メモリ価格の上昇を背景に好決算。今後のPCなどでの在庫調整はリスクも、PC・サーバーは堅調見通し
  • AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ):データセンター向け製品が好調で好決算。今後はPCは一部懸念が残るもビデオゲーム向けで好調示唆
  • TI(テキサスインスツルメント):増収増益も10-12月見通しが弱気で株価下落

これら決算に共通しているものとして挙げられるのは、今後には大きな懸念が存在するというものだ。

具体的にはこれまで半導体は旺盛な実需とそれに対応すべく、メーカーが半導体を在庫分も買おうとしたため価格も上昇し、売上も上がっていたがそれが剥落する可能性があるというものだ。

テキサスインスツルメントは決算で、電子部品の需要の増加が鈍化し始めたという内容をコメント。足元の半導体の売上急増はもはや実需に支えられてはいないという内容を示した。

テキサスインスツルメントはそのビジネス特性上、半導体や電子部品動向の先行指標として見られるケースが多いので、このコメントは非常に注意深く見ておきたい。

また、サムスンやAMDも言っているように、2022年にかけての大きなリスクはPCの在庫調整に伴う売上減少だ。これまでメモリが大きく上がってきたという背景が半導体銘柄好調の要因の1つとなっているので、この動向には注意を払っておきたい。

長期的に半導体が業界拡大する可能性は高いが、足元PCなどに主に使われる半導体メモリであるDRAMのスポット価格(この動きが将来の価格の先行指標となるケースが多い)が下落しているということもあるので、今後の半導体はかなり注意をしておかなければならないだろう。

では、最後にMicrosoftとAmazon、Appleの決算と、今回のGAFAM決算の総括をしていこう。

Microsoft

売上+22%、EPS+24%。Microsoftは非常に良好な決算を発表。全セグメントが増収し、最も好調だったのはクラウド事業だった。

要因としては世界全体でクラウド上でソフトウェアなどを使用する需要が拡大している、つまり企業全体がデジタル化へと向かっているトレンドに乗っている状況だ。引き続きOffice関係も好調さをキープした。

Amazon

売上+15%、EPS▲50%。やはり注目されているのが、1年半ぶりの純利益の半減。要因としてはEC需要増加に対応するために配送網を大きく強化したことがあげられている。

コメントによると人手不足対応や施設拡充のために約20億ドルがコストとしてかかっているとのこと。10-12月見通しについても大幅減益見通しを出しており、さらなる配送力強化のためのコストがかかるだろうとの見通しがされている。

コロナウイルス蔓延を受けて大きくEC事業が去年から成長してきたが、足元ではそのECへの追い風が徐々に薄れてきている。一方で米国労働市場は近年まれにみる人手不足状況となっている。

これはUPSやほかの決算でも見られている内容と矛盾する内容ではないが、やはり労働市場の混乱が企業に利益悪化をもたらしているというのはほぼすべての企業で見られているようだ。この状況は年末商戦期も継続するとの見方が嫌気をされている模様。

なお、AWS事業は好調でクラウド系はMicrosoftなどと同様に好調を示した。

Apple

売上+29%、EPS+71%。好調な決算をしめしたものの、売上・利益ともにやや市場予想に達しない決算で、株価は下落した。

サプライチェーンの問題から、iPhoneの販売が芳しくなかったことが嫌気をされている。

業績自体は非常に好調で利益は7-9月期としては過去最高益を更新しているものの、半導体不足から、事前想定通りの販売とならなかった。

この供給制約は10-12月の年末商戦期にも引き続き悪影響を与えると見られており、60億ドルのコスト増加になるとCEOはコメントした。

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