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日本株9月期決算は数字以外にも要着目

今年ならではの事情がある

日本株は9月期決算発表がこれから本格化します。多くの投資家は決算発表を見据えながら投資戦略を考えます。

それは「決算プレイ」と言われたりもしますが、今年は例外的に衆議院議員選挙が10月末に実施され、決算の結果だけではなく選挙の結果に日本株の動きも左右されそうで投資戦略としてはスタンスを決めづらいなと感じています。

今回の決算発表は衆院選以外に今年ならではの特殊な事情があると考えていて、個人的にはそこに注目しています。

結論から言えば、東証一部小型株の非公開化のアナウンスが増えると筆者は考えています。

上場企業の非公開化には時間がかかる

昨年、NTTがNTTドコモの完全子会社化を発表したのは2020年9月29日でした。

3月末本決算のNTTが、年度内に完全子会社化の手続きを終えるためには、半年程度の時間が必要だったということです。

上場企業を非公開化するスケジュールとして参考になる時間軸です。

というわけで、決算発表と同時に非公開化を発表する企業がいくつかあるのではと思っています。

非公開化が増えると考える理由

非公開化が増えると考える理由は、2022年4月に実施される東証の市場再編です。

現東証一部上場銘柄とプライム市場の上場基準とのギャップが、非公開化のトリガーになると考えています。

来春に市場再編されて誕生するプライム市場においては時価総額という規模と流通株式時価総額という株式の流動性の2点が現東証一部よりも重視されます。

現在時価総額100億円未満の東証一部銘柄が多数ありますが、プライム市場では「流通している株式」の時価総額が100億円以上であることが必要ですから、時価総額100億円未満の東証一部上場企業はすでにプライム市場の上場基準を満たしていません。

小型の東証一部上場企業が選ぶ道

そのような時価総額が小さい企業が来春以降の市場選択する際の選択肢はいくつか考えられますが、一つの候補として市場を選ばず非公開化する可能性もあります。

プライム以外の市場を選ぶことももちろんできますが、上場しておくにはそれなりのお金が必要ですし、IRや適時開示も実施しなければならず、そのための人材も必要です。

それらの手間とお金を省けるのなら、市場から株式を回収して上場を取りやめたほうが合理的だと考える上場企業の経営者がそれなりにいるという目論見です。

非公開化するためには公開買付が必要

仮にそのようなシナリオを上場企業側が選択するとします。

投資家の立場における非公開化は、当該銘柄について近い将来取引の機会を失うことになり、一般的に投資家にとっては不利益とされます。

上場企業を非公開化する際には株式公開買付が必要です。

取引機会を失うことへの補償も加味し、非公開化を目的とした公開買い付けを実施する際は市場で取引されている価格にプレミアムを付けたプライスで実施するのが一般的です。

いろんな値付けの方法があるので一概に言えませんが、上乗せの目安は直近3か月程度の平均価格の30%程度といったところでしょうか。

裏を返すと、非公開化されそうな銘柄をうまく物色できればリターンを獲得できるかもしれないことが投資妙味です。博打に近いものがありますが。

非公開化しやすそうな属性

ただ、こんな属性なら非公開化しやすいと考えられる属性はあると思います。

浮動株が少ない

非公開化は既存の株主から株式を買い集める行為ですから、流通する株式が少なければ少ないほど資金面でも手続き面でもやりやすくなるでしょう。

また、浮動株が少ない株式はプライム市場の流通株式比率を満たさないことが多いことも非公開化のトリガーになりうると考えています。

業績はさえなくても現預金をたくさん持っていて、負債が相対的に少ない

公開買付は買い付ける株数×買い付け価格のお金が無いと、決済ができません。

つまり非公開化を実施するためにはお金が必要です。

お金を借りずに非公開化できるなら、意思決定は速くなることでしょう。

株主の数が比較的少ない

株式を買い集める行為は、その対象が少なければ少ないほど楽です。

その対象は株式数だけではなく、株主の数についても同様でしょう。

どちらかと言えば小型株

時価総額が小さい銘柄の方が、株を買い集める資金が少なくて済みますのでやりやすいです。

これらを総合すると、親子上場の子会社は非公開化の対象になりやすいと個人的には考えています。そもそも、親会社が筆頭株主で1/3以上、あるいは1/2以上を既に保有していることが多く、残りの株を買い集めやすいからです。

そんなことにも注目しながら、9月期決算を眺めてみてはいかがでしょうか。

業界初、現役IFAがキャリア・アドバイザーを務める転職サービス「IFA PASS」

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おせちーず

おせちーず

CFP、FP1級、日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト

#セミリタイア #サイドFIRE な"ゆるワーカー"/CFP、FP1級、日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト/TOEIC950/サッカーは雑食だけど川崎Fサポ/MBAホルダー/がんサバイバー/投資歴約31年/旅/某大学非常勤講師 #優待 #おせちーずファーム #花「おせちーず」は自宅のぬいぐるみたちの総称 | フォロワー7,700人(2021年11月時点)

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