こんにちは、かずです。
今回は「逆トレンドラインからのブレイクアウト」(以下、逆トレンドブレイクと省略)について解説します。
逆トレンドブレイクという用語自体は、テクニカル分析の中でも教科書的ではないので聞き慣れないかもしれませんが、実践で非常に使いやすい手法です。
逆トレンドブレイクとは「そのトレンドが一旦終焉を迎えた可能性」を示唆するサインになりえます。
逆トレンドブレイクポイントを見極めることで次のような情報を取得できます。
【逆トレンドブレイクポイントの示唆】
- トレンドラインからこれから反対方向に相場が進む可能性を前もって推測できる
- トレンドの終焉を示唆するサイン
- 相場の転換点の見極めのヒント
そして、毎回のおさらいになりますが以下を意識して下さい。
- 投資とは、確率的優位性を追求した先の期待値の積み重ねである
- 確率を高めるために、あらゆる手法は存在する(僕の場合はテクニカル分析)
これを踏まえて、様々なテクニカル手法を組み合わせることで「確率の優位性」を高めることができる、と考えています。
今回は「逆トレンドブレイク」の具体的な見極め方を紹介をしますが、以前の「フィボナッチリトレースメント」「水平線」「チャート反転パターン」「マルチタイムフレーム分析」など、全ての記事を復習しながら読んでいただけると、よりテクニカル分析への理解が深まると思います。
これらの分析手法を組み合わせ、より優位性のあるエントリータイミングを「人に頼ることなく」皆様ご自身で判断できるようになっていただきたいです。
ぜひ、過去の記事も復習し、実践に生かしてみて下さい。
それでは、「具体的な逆トレンドブレイクのポイント」を解説していきます。
今回の記事でも、「買い(ロング)」の場面の1例として金(ゴールド)を、「売り(ショート)」の場面の例としてNASDAQを紹介しようと思います。
また、ブログ・YouTubeでも、テクニカル分析や資産形成について発信しているので、併せてチェックしてみてください!
ブログ:確率を制するものは人生を制する「数学・確率・統計テクニカル分析での投資手法」
Youtube:Drかずの投資チャンネル「投資を数学・確率・統計的に考察する」


逆トレンドブレイクポイントの実例
実践例1:買い(ロング)の場合
こちら、何度も紹介している金(ゴールド)の日足チャートです。 青丸の部分が前回の記事「マルチタイムフレーム分析」で紹介したエントリーポイントです。

さて、そこから追加で買いのエントリーポイントを探っていきます。
このシリーズで何度もお話していることですが完成したチャートを使って「後付でほら?ここは勝つでしょ!」なんて解説しても何の意味もありません。
ですので、チャートの先が見えない状況で解説していきますので、皆様も先を推測するように記事をすすめていってください。
日足で斜め下がりのトレンドラインを引けるので、ここをブレイクするところがターニングポイントです。
どんどん進めていきましょう。

赤丸の部分に注目してください。
ようやく斜め下がりのトレンドラインをブレイクしました。
これを僕は「逆トレンドブレイク」と呼んでおり、相場の反転サインを示唆すると思っています。
ただし、ここですぐにエントリーするわけではありません。いわゆる「騙し」で容易に戻ってくることがあるからです。
では、どんどんチャートを進めましょう。

緑丸の部分に注目してください。
ここまでくると「逆トレンドブレイク」に加えて「ダブルボトム」というチャート反転サインを確認できます。
緑丸部分は買いのエントリーをしても良さそうです。チャート反転サインについてはこちらを参考下さい。
では、その後のチャートです。

期待に答えて見事に上昇してくれました。
ちょうどこの時期は株式のパフォーマンスが良くなかったので、ゴールドでヘッジできていれば資産の目減りを防げたかと思います。
さて、この緑丸のエントリーの部分ですが、週足ベースでフィボナッチリトレースメントを引いてみると実はフィボナッチ50%のラインに相当します。
フィボナッチリトレースメントについてはこちらを参考下さい。

「逆トレンドブレイク」からの「フィボナッチ50%ライン」での「ダブルボトム」というテクニカル分析を組み合わせたエントリーポイントになります。
では、次は売り(ショート)の戦略です。
実践例2:売り(ショート)の場合
こちらは、2020年からのNASDAQの週足チャートで長期足での環境認識になります。

ずっとアップトレンドが継続していますが、2022年の年初あたりから雲行きが怪しくなってきてます。
(ここはわかりやすくあえて完成したチャートを張っていますが、あくまで逆トレンドブレイクするまでチャートの右側は皆さんには見えていない前提で進めて下さい)
ちょうど青丸の部分で逆トレンドブレイクが起こっており、ここからは売りのチャンスを伺っていきます。
ここで、チャートの時間軸を日足に落としてみましょう。以前勉強した「マルチタイムフレーム分析」の手法の出番です。マルチタイムフレーム分析についてはこちらを参考下さい。

ちょうど青丸の部分で逆トレンドブレイクが発生しています。
ここからは売りのチャンスですが、ここですぐにショートを打ち込むわけではありません。
ゴールドのロングの場面と同様に、騙し回避のためエントリーする前に一呼吸置きます。
ここがポイントです。少し待って、狙うは「戻り売り」です。

はい、おあつらえ向きにしっかり戻してきました。フィボナッチリトレースメントのフィボナッチ61.8%まで戻しています。
さらに14500付近は水平線が引けますので反発のポイントとして重要です。水平線についてはこちらを参考下さい。
さらにチャートを進め4時間足にまで落とし込みます。

赤丸の部分で売りのエントリーです。
どうでしょうか?
「逆トレンドブレイク」からの「フィボナッチ61.8%」まで戻して、「14500の水平線でサポレジ転換(それまでのサポートラインがレジスタンスラインに変わること)」
最後のエントリーした部分は「ダブルトップ」を形成しています。
※実際に筆者は、ここでNASDAQ3倍ショートのエントリーをしています。後付ではなくリアルタイムでツイートしていますので、よろしければ御覧ください。
CXSEで逆トレンドブレイクを活用
ここまで読んでいただいた読者の皆様へのプレゼントとして、最後におまけを。
上記2ポイントは過去のチャートですが(実際に僕がエントリーした部分ではありますが)
今後の逆トレンドブレイクポイントが狙えそうな銘柄を、一緒に観察していきませんか?
銘柄はこちら「CXSE」です。
CXSEとは、簡単にいえば中国版のQQQのような商品で、以下のような特徴があります。
【CXSEの特徴】
- 国有企業を除く中国株に投資をする
- 銘柄数136
- 経費率約0.32%
- 上位銘柄はアリババやテンセントといった中国ハイテク企業≒世界的競争力のある中国株版QQQ
さて、ではCXSEの環境認識からしていきましょう。
週足チャートです。

2021年の年初あたりにピークを付けてから、ひたすらダウントレンドで右肩下がりのラインを形成しています。(なぜこんなにきれいな直線が引けるのか?テクニカル分析の醍醐味を感じていただきたいです)
では、日足にチャートを落とし込んでいきましょう。

いかがでしょうか?
青丸の部分をうわ抜けてブレイクアウトしてくれたら「逆トレンドブレイク」が発生して買いのエントリーチャンスがきそうではありませんか?
ちなみに月足レベルまで長期足にして、フィボナッチリトレースメントを引いてみました。

最安値の19ドル付近からフィボナッチリトレースメントを引いてもフィボナッチ61.8%という最終の押し目買いラインまで到達しており限界点かと思います。
逆に言えば、このラインから逆トレンドブレイクしてエントリーすれば相当の安値で仕込めるのでは無いでしょうか?
皆様もぜひ、CXSEを観察してみてくださいね。
最後に
さて、ここで毎回お話させていただいている大切なお話。
これって後付で都合のいいチャートの場面を持ってきて、「ほらね?勝てるでしょ?」と解説しているだけかもしれません。
後付で都合のいいチャートを持ってきて、当てはまる場面なんていくらでも作れます。
実践で使うには、トレードはその性質上100%は無理ですが「確率的優位性がある」という判断で「未来の価格」を推測できなければ意味がありません。
ですので、この記事を読んで「マジでテクニカル分析って使えるかも…」と思った方は『必ず自分でバックテスト(過去検証)をして様々な場面で手法が当てはまる可能性が高い』ことを確認してください。
鵜呑みにするのではなく自分で検証する、という過程が非常に重要です。自分で過去検証することで
- その手法が本当に優位性があるかを確認できる
- 自分で確認しているからこそ確信を持って身銭を切り、その手法で実際に売買ができるようになります。
この過去検証を経ないと、僕が様々な手法を解説しても宝の持ち腐れになってしまいます。
ぜひ、皆様ご自身でいろいろな銘柄、場面をマーケットで分析してみてください!
【株式投資におすすめの2口座】
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