こんにちは、かずです。
今回も前回に引き続き、実践シリーズでいきます。
実践シリーズでは、過去のチャートで勉強した様々なエントリーパターンを使って実際に今後の相場がどうなるかを皆さん自身で推測できるようになっていただこう、という試みです。
※発信情報の内容は、特定の銘柄やタイミングを推奨するものではありませんので、あくまで投資は自己責任のもとご判断ください。
過去に紹介した基本手法はこちら
- フィボナッチリトレースメントの実践的使い方
- ライントレードの実践方法!水平線の引き方と活用方法
- 移動平均線を実践で用いる方法「移動平均線」に「グランビルの法則」を組み合わせる
- チャート反転パターンを利用したエントリーの実践方法
- ピンバーを利用したトレンドフォロー
- マルチタイムフレーム分析を利用したエントリーの実践方法
- 逆トレンドラインからのブレイクアウトを利用したエントリーの実践方法
- ポジションホルダーの損切りを利用したエントリーの実践方法
これまで解説してきた記事の知識を利用して、「トレンド転換」の場所がある程度推測できないかを見ていきましょう。
今回の記事では、S&P500を用いて「トレンド転換から買い(ロング)」の場面を探れないかを皆さんと一緒に検討していく感じですすめていきたいと思います。
その中で、メジャートレンドライン、マイナートレンドラインという考え方をお話していきます。
また、ブログ・YouTubeでも、テクニカル分析や資産形成について発信しているので、併せてチェックしてみてください!
ブログ:確率を制するものは人生を制する「数学・確率・統計テクニカル分析での投資手法」
Youtube:Drかずの投資チャンネル「投資を数学・確率・統計的に考察する」
S&P500の「トレンド転換」の場面を考察する
こちら、直近のS&P500の日足チャートです。
アップトレンドからダウ理論でダウントレンドに転換してしまっています。年初からは、いわゆる天井ダイアゴナルーヘッド・アンド・ショルダーというパターンになっています。
要するに全体として下がり続ける可能性の高いチャート形状で、まだエントリーする場面は来ていません。
ではこういう時は、少し時間軸を変えて検討してみましょう。
日足→週足にして長期足から環境認識を行います。
がらっと景色が変わりましたね。
S&P500は当然ながら、大きく見ると上昇銘柄ですが2021年の年末までは綺麗なアップトレンドを描いていましたが2022年の年初から崩れ始めています。
では、反転部分はどのあたりを想定しましょうか?
まずは、フィボナッチリトレースメントを引いてみましょう。
復習になりますが、フィボナッチリトレースメントは「わかりやすい安値から直近の高値に引く」でしたね。
ちょうどダブルボトムをつけて2回反応してる3200付近を直近の安値としました。
直近の高値までフィボナッチリトレースメントを引くと、ちょうどフィボナッチ50%のラインが4000に相当します。
わかりやすいキリ番で、反転する可能性のあるポイントだと考えます。
4000のラインが仮にサポートラインとして機能するとします。 ここでもう一度、時間軸を短くして日足に落とし込んでみます。
そうするとこのように、2本のラインが引けるかと思います。
上の太い黒線をメジャートレンドライン、下の細い黒線をマイナートレンドラインといいます。(この場合はどちらもダウントレンドのラインになります)
さて、上手のように4000のサポートラインが機能してダブルボトムを作ったとします。
ここで買いのエントリーを行いますか?
もちろん、このまま上昇していくパターンもあると思いますが、僕はS&P500のような長期投資として購入する銘柄の場合、やはりメジャートレンドラインを重視します。
こんな感じでマイナートレンドラインをブレイクアウトしても、その上のメジャートレンドラインで反転してくることがよくあります。
1例を示すと、直近のNASDAQですね。
僕は2/10に赤丸のポイントでNASDAQ3倍ショートをエントリーしたのですが(後出しではなくリアルタイムでツイートしてますので、ご参考ください)、3月の後半、マイナートレンドラインをブレイクアウト後に上昇をみせましたが、メジャートレンドラインでの反発の可能性を踏まえショートをそのままホールドとしました。
結果的にメジャートレンドラインの手前で反転してしまっていますが、これはよくあることで「より大きい時間軸のトレンドラインのほうが強く機能する」ということになります。
ですので、より安全に買いのエントリーをしようとなると、メジャートレンドラインをブレイクアウトした後、ということになります。
この形ですね。
この青丸をしっかりブレイクアウトして、さらに押し目を作ればエントリーとすると上昇していくパターンは多いと思います。
ひとつ弱点があり、これだと「4000ぴったりの反転の底値は取れない」ということになります。 しかし、中途半端なシグナルを見てエントリーするといわゆる「落ちるナイフ」を掴まされる可能性もあります
このパターン。
これだと延々にナンピン買いを強いられる展開になってしまいます。
毎月、決まった額を積立投資するいわゆるドルコスト平均法ならばこれでかまわないのですが、わざわざテクニカル分析を勉強しようとされている皆様におかれましては、より効果的な場面でエントリーしたいですよね!
長期投資をする場合は、「頭と尻尾はくれてやれ」の精神で、底をピッタリ狙う必要は無いと考えています。
底を見抜くのは非常に困難ですので、しっかりトレンド転換を確認してエントリーしても遅くはないと思います。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
これまで学んだ基本手法を駆使することで、今後のエントリー方針を皆様自身で考えていけるようになるはずです。
あとは検証と実践を繰り返すことで、テクニカル分析の技術が身についてくると思います。
さて、ここで毎回お話させていただいている大切なお話。
僕は「相場を後付で解説する能力」と「実際のトレードで利益を上げる」能力は全くの別物だと考えております。
実践で使うには、100%ではないにしても「確率的に優位性がある」という判断の元、「未来の価格」を推測できなければ意味がありません。
ですので、この記事を読んで「マジでテクニカル分析って使えるかも…」と思った方は『必ず自分でバックテスト(過去検証)をして様々な場面で手法が当てはまる可能性が高い』ことを確認してください。
鵜呑みにするのではなく自分で検証する、という過程が非常に重要です。
自分で過去検証することで
- その手法が本当に優位性があるかを確認できる
- 自分で確認しているからこそ確信を持って身銭を切り、その手法で実際に売買ができるようになります。
この過去検証を経ないと、僕が様々な手法を解説しても宝の持ち腐れになってしまいます。
ぜひ、皆様ご自身でいろいろな銘柄、場面をマーケットで分析してみてください!
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