ロシアがウクライナに侵攻したことで、全世界株式インデックスの国別ウエイトを知りたいと思われている方を見受けます。
全世界株式インデックスとしてよく知られているのはMSCIが運営しているAll Country World Indexでしょう。日本では「オルカン」と略されることも多いようです。
日本で設定されている全世界株インデックス投資信託等のベンチマークとしても使われることが多いようです。
個人投資家が、このインデックスそのものの銘柄別ウエイトを直接知るのは、実はハードルが高いです。MSCIから直接データを購入する必要があり、その費用は筆者が知る限りかなり高価です。
が、かなり近似した構成を知ることは可能です。
ブラックロック社が運用している米国ETF「iシェアーズ MSCI ACWI ETF」、ティッカー【ACWI】が構成銘柄を全部公開しています。
“ACWI”はAll Country World Indexの頭文字をとったもので、まさにMSCIのAll Country World Indexに倣った運用をしているETFです。
インターネットで検索する際、「acwi iShares」と入力すればヒットするでしょう。

この右上の「ダウンロード」をクリックすると、スプレッドシート形式のデータを取得できます。4種類のシートが含まれたファイルです。

国別ウエイトを知りたい場合は「保有銘柄一覧」シートを使います。7行目の太字フォントの行でフィルタをかけます。

M列の「地域」で「ロシア連邦」を選択します。ロシア以外の国のウエイトを知りたければ、当該国を選択してください。

D列の「保有比率」を合計すれば、選んだ国のウエイトがわかります。この記事作成時点ではACWIに占めるロシアのウエイトは0.26%だということです。

今回はこのファイルを国別ウエイトを知るために使いましたが、このファイルは設定来のNAV、月次リターン、分配金履歴も同時にダウンロードできる、非常に便利なファイルです。
ここまで親切なデータをダウンロードできるものはそう多くありませんが、ETFの構成銘柄を全部知ることができるファイルダウンロードサービスを提供している運用会社は珍しくありません。
ETFや投資信託を購入している方は、是非運用会社のWebサイトを見てほしいです。
そこには目論見書や運用報告書が必ず掲載されていますし、ACWIのようなさらに親切な情報提供をしている金融商品もありますから、ぜひたまにでもご覧になっていただきたいと思います。
たとえば、ウエイト上位の国をすぐにわかるようにしていることが多いです。ACWIは60%以上を米国株が占めます。
また、新興国リスクとして意識すべきは、ロシアよりもはるかにウエイトが高い中国だということも同時に教えてくれます。

インデックス投資をするにあたり、その中身など知らなくてもいいという声を耳にしたことがあります。投資の敷居を下げているという点には大いに同意します。
しかしながら、インデックスの中身を知ることで損することもないですし、有事の際に初めて知るより、有事になる前に知っておいた方が、いざという事態に備えらえるとも思います。
調べ方を知っていることで得られるアドバンテージがあることも知っておきたいところです。
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