今、抑えておきたいポイント!
〇ドル円、約2週間ぶりの安値114.85円まで急落。114.50円のサポートラインを抜けると、次は113.50円へ向かう?
〇ウクライナ情勢に関わる報道が連発し、ドル円は急落を繰り返す。
〇米国防長官はロシア部隊の国境移動や戦闘機の増加など軍部を整えている事を指摘。
〇バイデン大統領も「ロシアがウクライナに侵攻する可能性はかなり高い。」と発言。
〇目先はウクライナ情勢に関するヘッドラインに相場が乱高下する。
昨日のドル円相場の特徴

17日(木)のドル円相場は大幅な下落を見せました。
日本時間の午後、ロシア側の偽装報道で一瞬円高に触れたものの、その後ウクライナ東部ドンバス地方で砲撃があった事が報道されると、為替市場は一気に円高ムードに切り替わりました。

ロンドン時間も東京時間の流れを引き継ぎます。ウクライナ懸念によるリスクオフムードは欧州株並びに英国株の全面安を呼び込みました。
ドイツの前メルケル内閣で国防相を勤めたフォンデアライエン欧州委員長は、
「ロシアは軍事施設にさらに多くの兵士を追加している。」と発言。ウクライナ懸念を牽引します。
NY時間もこの流れが止むことはありません。
米国防長官オースティンは
「ロシアが軍部隊をウクライナ国境近くに移動させ、輸血用血液を備蓄している。」
「周辺を飛行する戦闘機も増えている。」と発言。
バイデン米大統領も
「ロシアがウクライナに侵攻する可能性はかなり高い。」と発言しました。
世界中の各参謀がウクライナ情勢に関わる警戒発言をしたことで地政学リスクが再燃し、株式市場は急落。これにより金や日本円など金利が無い(ほとんど持たない)安全資産の需要が拡大しました。
米ドル売りは米長期金利を急低下させました。
米10年債利回りは、2.0%を割り込み、一時1.95%まで急低下。この結果が更なる米ドルの売りを呼び込みました。
今日の見通し
ドル円は心理的節目である115.00円を割り込み、2/4以来の約2週間ぶり安値114.85円まで急落しました。
執筆してる現在は114.92円を示しており、ドル円は若干反発しています。
ウクライナ情勢を巡るヘッドラインで更に下落する可能性は十分考えられます。ドル円の下値支えとしては、日米金融政策の方向性の違いから生まれる日米名目金利差の拡大が挙げられます。ドル買い・円売り圧力によるドル高・円安。これがドル円の下値に強烈なサポートをしています。
目先はウクライナ情勢に関するヘッドラインを中心に見ていきましょう。
リスク回避局面では、「リスク回避の円買い」が先行し、その後に「リスク回避のドル買い」が時間差で押し寄せてくる傾向が見られます。
当方、ドル円相場はトレンドの持ち直しをメインシナリオとします。上昇トレンドが続くシナリオは想定が少々難しくなってきました。
今週末にインドネシアのジャカルタでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。
草案によるとインフレ高進と地政学的リスクが景気回復に焦点が当てられます。月曜日の大きな窓開けも予想されるので、引き続き警戒して見ていきましょう!
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