押さえておきたいポイント
【ポイント】
- 地政学的リスク再燃が株式市場の重石になり、それに嫌気が刺され、ドル円は上値が重い。
- 次回のFOMCの焦点が早くも折り込み開始?「利上げ幅」「バランスシート圧縮の開始時期」が次の材料として意識される。
- 米長期金利上昇による日米金利格差を背景にドル高・円安が進む展開をメインシナリオと考える。(以前から考え変わらず)
2/23のドル円相場の特徴


一昨日の話
23日のドル円は向かう方向が分からないかの様に、狭いレンジ相場内を行き来する様子が多かったです。
23日は米国株の持ち直しが見られました(今日はボロボロでしたが….)。株式市場のリスク回避ムードの後退が米長期金利の上昇を呼び、ドル円はニューヨーク時間に一時115.21円まで上昇しました。
しかし買いが一巡すると、再びウクライナ情勢をめぐる地政学リスクの再熱が始まります。
この日のアメリカは緊急記者会見(23日の日本時間朝4時)を開きました。会見はバイデン氏は以下2点を強く示唆しました。
- 48時間以内のロシア軍による本格的な侵攻の可能性を示唆
- ロシアへの制裁としてノルドストリーム2事業会社(ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶためのパイプラインを供給する事業。現在、パイプラインを構築中)に制裁措置を行うことを示唆
今朝の話
緊急記者会見の影響により、本日24日の米国株式市場は急反落しました。ドル円はニューヨーク時間の引けにかけて安値114.93円を記録。
3月のFOMCの内容を折り込み始める時期なので、ドル円は方向性を見失っている様な状態です。
今日の見通し
2/21にプーチン大統領は親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部ルガンスクとドネツク州の独立を認めました。
これにより市場はウクライナを巡る地政学的リスクに振り回されています。
- ドイツのショルツ首相はロシアがウクライナに侵攻した場合、ノルドストリーム2の計画を停止することを表明。
- イギリスのトラス外相はロンドン市場でロシアの国債発行をできなくする考えを表明。
これに加え、2/24に開催予定だった米露外相会談、米露首脳会談が中止になりました。
世界各国の首相が大きな発言をしたり、会談が中止されたりと大きな動きがあるにも関わらず、ドル円は威嚇的穏やかにレンジ内を推移しています。恐らくウクライナ報道の変化が激しいため、市場参加者がウクライナ関連ヘッドラインにむやみに反応しない様にしているのかなと考えています。
そうなると直近で動く要因は3月のFOMC内容でしょうね。
次のFOMCで意識されるポイントは2つです。
【FOMCで意識される2つのポイント】
- 利上げ幅の選定(25bp or 50bp)
- FRBバランスシート圧縮開始時期
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で原油価格や天然ガス価格が高騰しています。その結果、あれだけインフレ懸念が騒がれていたのに、それを進行させる事になってしまいました。パウエル議長を始め米当局者はどの様な決断を下すのでしょうか?
どちらにせよ、ドル円については米長期金利上昇を背景にドル高・円安が進む展開をメインシナリオと想定しています。下落の要因はリスク回避の円買い先行の有事のドル買いが続くのではないでしょうか?
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