3/1のポイント
【ポイント】
- ロシアの軍事行動は激化。ウクライナとロシアの平和的会談の意味はあったのか?
- 「リスク回避の円買い」と「有事のドル買い」が交互に需要が高まり、ドル円は下値硬いが方向感が難しい。
- 更なるインフレ率の上昇が予想される中、2月ADP雇用統計、米当局者発言に注目が集まる
3/1の為替相場の振り返り

1日のドル円は方向感に欠ける動きが目立ちました。
東京時間の午前中にかけて、ウクライナとロシアの平和的停戦会議に期待が込められた事もあり、ドル円はこの日の高値115.29円まで上昇しました。
しかし、ロシアのショイグ国防相が「目標を達成するまでウクライナでの軍事行動を継続する」と発言したことから停戦は見込まれない事が分かり、世界的なリスクオフが再び到来。株式市場が急落します。これにより有事のドル買い、リスク回避の円買いが全通貨の中で目立ち始めます。

ロンドン時間に入っても流れは続きます。欧州経済の先行きは不透明。地政学的リスクを背景とした原油価格や天然ガス価格などの資源価格が更に上昇。WTI原油先物価格は心理的節目100ドルを突破しました。(2014年6月以来の高値です)
欧州は資源の半分をロシアに依存している為、欧州経済の下押し圧力は強まる一方です。ドイツ10年債利回りはマイナス圏へ急低下。これにより欧州債の利回りも急低下しユーロ売りが大きく目立ちました。
これにより、ドル円はNY時間の引けにかけてこの日の安値114.69円を記録しました。
3/2の為替相場の見通し
ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクを背景としたリスク回避ムードは続いています。
ドル円は「リスク回避の円買い」と「有事のドル買い」に振り回される状態ですね。これによりレンジ相場が目立ちます。
本来、昨日の様にユーロが急落した場合、ドルも同じ様に急落し、円の需要が上がります。そうなることでドル円は急落する流れになるのですが、リスク回避のドル買いとインフレ上昇による有事のドル買いがドル円の下値を支えています。
現在の相場は為替のセオリーとは違った動きが多く見受けられます。またロシア・ウクライナを巡るヘッドラインに加え、FRBの動向に注目が集まるターンが始まります。
本日は週末の米雇用統計の前哨戦となる米2月のADP雇用統計の発表に加え、各要人の発言が控えています。
- シカゴ連銀のエバンス総裁
- セントルイス連銀のブラード総裁
- パウエルFRB議長による下院金融委員会で半期に1度の議会証言
先日のISM製造業景況指数は市場予想を上回る結果でした。エネルギー価格の急騰が世界のインフレ率を更に上昇させています。米国はこの状況をどの様に乗り越えるのでしょうか?
当方は引き続き、ドル円の上昇をメインシナリオとしていますが、ロシア・ウクライナによるヘッドラインでボラティリティが乱高下する事に注意しましょう!
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