今押さえておくべきポイント
【ポイント】
- NY時間午後にかけてドル円下落。安値121.29円を記録。
- 米金利低下、米指標の不冴え、月末ロンドンフィキシングでドル売りフローが形成
- 売り一巡後は買い戻し。
- ドル円が急落後してもテクニカルの地合いは強い。
- 日米金融政策の方向性の差がドル円の下値を大きく下支えしていると思考。
- ドル円相場の上昇をメインシナリオと予想。
- 本日の予想レンジ:121.00ー123.00
3/31のドル円相場の特徴
月末31日のドル円は方向感を見出しづらい時間が継続しました。
本邦年度末公表相場のドル不足を背景に東京時間の朝方は、ドル円は高値122.45円まで急伸。
しかし、引けにかけてドル円は下落していきます。要因としては
【ドル円下落要因】
- 岸田首相の円安牽制発言「為替の安定は重要であり急速な変動は望ましくない。」「米国などと意思疎通を図りつつ適切に対応する。」
- 年度末の東京カットに向けてのオプション取引関係のドル売りフロー。
- 米金利低下に伴うドル売り圧力が上昇。
- 2月の米PCEコアデフレーターの前年比(結果5.4%、予想5.5%)が市場予想を下回る結果(但し、1983年以来の伸び率を記録しているので決して悪くない。その為、市場の反応も薄かった。)
- 米新規失業保険申請件数の予想悪化(結果20.2万件、予想19.7万件)
- 月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフロー
これらがドル円の円安上昇の重みになり、ドル円はNY時間午後にかけて、この日の安値121.29円まで急落しました。
一方で、
- 日米金融政策格差に着目したドル買い・円売り(昨日、日銀は東京時間に4ー6月期の「中長期債の買い入れ増額」を発表した)
- ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクが再燃(ロシア大統領府は「ウクライナとの交渉に急展開はなく、多くの作業が残っている」と発言。プーチン大統領は「欧州向け天然ガス供給でルーブルでの代金支払いを要求する」との方針を発表。これによりユーロからドルへの経路が再び活発化する)
これらが支援材料となり、ドル円は再び上昇を目指し、執筆中には122.34円を記録している。
4/1の為替市場の見通し
本日より、「本日の為替市場の見通し」はMARKET PASS運営者である牧野が担当します。皆様宜しくお願いいたします!
短期目線
本日発表される米雇用統計が堅調な結果を見せれば、再び124,5円を目指す展開になるでしょう。3月終わりに勢いを失ったドル円高の流れが復活する可能性はあります。
昨日発表されたPCEコアデフレーターは5.4%(前年同月比)と大きな伸びが確認されたこと、先日のADP雇用統計でも45.5万人(市場予想45万人)と若干ながらも市場予想より強い結果を示したことから、本日の雇用統計も堅調な結果になるのではと推測されていますね。
ただし、不安材料もあります。ADP雇用統計と米雇用統計との乖離です。
今年に入ってからADP雇用統計と米雇用統計には大きな乖離も見られているため、ネガティブサプライズの可能性もあります。1月のADP雇用統計▲30.5に対して米雇用統計は46.7。2月のADP雇用統計47.5に対して米雇用統計は67.8。
とは言え、両統計はこれまで乖離が大きくなる場面は少なくなく、ADP雇用統計はあくまで参考程度に留めるべき指標ですから、ここを心配しすぎるのもナンセンスかもしれませんね。
中長期目線
基本的には日米金利差の拡大を支援材料とし、ドル円は伸長していくと予想しています。
ただし、FRBの利上げは米インフレ高が続くという前提があります。そこで少し懸念となるのが中国経済の冷え込みです。
昨日発表された中国の製造業PMIが、48.4(2月51.6)と前月比▲3.2%という結果に。景気判断の節目となる50を割ってしまいました。製造業PMIも49.5と50を割り込んでいます。
中国では新型コロナウィルスによる制限がかなり厳しく、経済活動は諸外国に比べて停滞している状況です。
また、今回のデータは足元の状況を反映しておらず、中国は今月から上海(金融センター)、長春(自動車メーカーの集積地)、深圳(テック企業や製造業の拠点)などの主要都市でロックダウンを行うと発表しています。つまり、PMIの更なる低下が予想されているのです。
米金利市場にマーケットがフォーカスしている状況であるため、中国の経済動向の影響は現時点では軽微でしょう。しかし、中国経済の停滞がもたらす2次的な影響(中国関連企業の業績悪化、中国への輸出減、AUDの低下など)を考慮すると、中期的には留意する必要がありそうです。
現在中国経済と米物価状況を結びつけるような見方はされていませんが、仮に米インフレを落ち着かせるような状況になれば利上げ幅縮小、利上げ時期の延期が予想されるので、中長期的にはドル円の上値を抑える要因にはなり得るかもしれません。
今後はテクニカルやドル円以外の通貨にも着目しながら考察していきたいと思います。
ご参考になれば幸いです!
今日の勉強|PCEデフレーター、PCEコアデフレーター
PCEデフレーターってのは、米商務省が毎月末に発表している個人消費の物価動向を見る指標だ!
簡単に言うと、今のインフレが良いインフレか悪いインフレかを測る為のものだ。
いいインフレってのは、個人の所得が上昇してモノがちゃんと売れることによって、モノの価格が上がる事だろ?
PCEデフレーターはこの消費が前月と前年と比べてしっかり個人が行ってるかを見るものなんだ。
モノによって価格変動が激しいものがあるだろ?食品とか、エネルギーとか。この価格変動が激しいものを抜いたものが、PCEコアデフレーターだ!FRBが最も重視している物価指標の一つだぞ!
消費者物価指数(CPI)もあるが、PCEデフレーターの方が調査対象が広くて、実際の物価動向の反映が強く確認できるんだ!
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