通貨とは、モノを交換する際に使われる道具です。そして通貨も立派な金融商品の一つです。
通貨の価値は、発行元の国(中央銀行)が信用を担保し価値を生み出してます。日本なら日本銀行、アメリカならFED、EU連邦なら欧州中央銀行がそれに当たります。
そして、世界の中央銀行を指揮するのが、スイスにある世界決済銀行です
通貨は世界情勢や世界経済における一定のバランスにより価値が上下します。
特に主軸通貨(米ドル)、主要通貨(円、ユーロ、ポンド、フラン、カナダドル、オーストラリアドル等)は価値の増減が大きく起きれば世界経済に影響が起きます。
市場が正常時、ドル円などの為替が数銭程度の動きで済んでるのは、中央銀行が裏で働きかけてくれているおかげです。とは言ってもコロナショックなど、動きを制御出来ない場合は、中央銀行であっても最低値を待つしか無いのですが….
では通貨はどの様な時に需要が高低するのでしょうか?大きく2つあります。
【通貨の需要が変動する時】
- 通貨の内的要因から通貨需要が生まれた時。
- 通貨の外的要因から通貨需要が生まれた時。
通貨の内的要因とは通貨金利を指します。 一方で、通貨の外的要因とは原油価格の変化を指します。
(他にも要因はありますが、今回はあくまでも 代表的なものを取り上げました)
【POINT!】
- 通貨の内的要因→通貨金利
- 通貨の外的要因→原油価格
通貨の内的要因(通貨金利)って何?
通貨は持つ事で金利が発生します。
日本でもほんの僅かながら銀行にお金を預金(銀行にお金を貸し付ける)すると金利が発生しますよ ね。この金利は各国の中央銀行が定める政策金利によって決まります。
この金利が上がる事を利上げ、金利が下がる事を利下げと言います。
当然その時の相場によりますが、利上げの前後(利上げ実行の約1ヶ月前後)に為替は円安傾向が強くなります。 逆に利下げの前後(利下げ実行の約1ヶ月前後)は円高傾向が強くなります。
これは「利上げ」と「利下げ」で通貨金利が変わる為です。
利上げとは、経済市場におけるお金の流通スピードを政策金利(短期金利)を使って抑える働きです。利上げはインフレ率の上昇禍に行われます。インフレとはモノの価格が上昇する事ですよね?しかしこれは、貨幣の価値を下げることを示します。
今まで100円で買えていたものが120円を出さないと買えなくなる。(ものの値段が上がる=貨幣の価値が下がる)事ですよね!
貨幣の価値を下げない為にはどうすれば良いか?貨幣の価値を上げればいいんです。利上げです! つまり利上げをする事で、インフレにより下がった貨幣価値を無理やり上げる事で経済バランスを保つ事ができるのです。(利下げはその逆です。)
【POINT!】
利上げとは、インフレにより下がった貨幣価値を無理やり上げる事で、経済のバランスを保つ役割がある
通貨の外的要因(原油価格)って何?
原油の価格が上昇する事は円安を促進させます。
なぜなら原油の決済はドルで行われる為です。原油価格が上昇すれば、世界中で原油を必要とする量 は変わらなくても、原油価格の上昇に伴い、ドルを調達する量も増えます。
輸入企業の決済を行うため、銀行は外貨の調達が必要になる為、外国為替市場で外貨を購入せざるを 得なくなります。
備蓄との関係で、ストレートには為替には影響を及ぼしませんが、急激な原油価格の上昇は、それだ けで為替に大きな影響を与えます。(原油価格の下落は上説の逆の反応です)
【POINT!】
原油はドルで決済される。原油価格が上昇すれば、銀行はドルを必要とする為、必然的にドル高円安が誘発される(原油価格の低下はその逆)
まとめ
【まとめ】
- 長期金利の急上昇時
- 原油価格の上昇時
- インフレ率の上昇時
これら3項目は、為替市場においては金融市場の事情関係なく大きく動く傾向があります。また為替のみならず、株式市場や債券市場にも大きな影響を与えます。
例えば1,000万円分の米国株を持っているとしましょう。現在の為替レートで為替が1円、円高に動け ば、日本円で8~9万円無くなります。
為替は株式と違い平日24時間動き続けてます。NY市場OPEN前に為替市場で大きな変動が起こり円高に動いた場合、株式市場にも影響を及ぼす可能性があります。
その場合、NY市場OPEN後に株価が下がり、為替による円高と株価下落でダブルパンチを受けます。
海外資産を持つ場合は、為替の動きが一時的なものなのか、長期的な円高を引き起こすものなのかを 判断する事で、保有する銘柄を利益確定する判断材料の1つになるのでは無いでしょうか?
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