「マンションの一室だけでは儲からないので、アパートを一棟買いし賃貸したい」と考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、アパートの一棟買いをするには多額の資金が必要で、失敗したときのリスクも大きく躊躇する人もいることでしょう。
そこでこの記事ではアパートの失敗例を紹介し成功のポイントをお伝えしていきます。
アパート一棟買いの失敗事例

はじめに、アパート一棟買いの失敗事例をいくつかご紹介していきます。
表面利回りのみを参考にした
老朽化した中古物件は、表面利回りが高いので儲かると思い購入したが、直ぐに修繕費用が必要になり収益が悪化した。
利回りとは投下資金に対する収益の割合をいい、単純に年間の家賃収入を物件価格で割った表面利回りと、仲介手数料や固定資産税・修繕費などの経費を加味した実質利回りがあります。
表面利回りは経費を加味していないので、想定した利益をとれない場合が多く、不動産投資をするときには経費を加味した実質利回りを重視しましょう。
表面利回りと実質利回りの計算式は下記のようになります。
表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格×100
実質利回り = (年間家賃収入 - 年間経費) ÷ 物件購入価格×100
修繕費用が発生する築古物件を購入した
安いからといって築古物件を購入したら、多額の修繕費が発生し赤字となってしまった。
老朽化した物件を購入すると、給排水管が腐食して交換が必要になったり、雨漏りのため屋根の防水処理が必要になったり、白アリが発生するなど多額の修理費が掛かることになります。
いくら安い買い物をしたと言っても、結局維持管理費が高く掛かることになるので、十分な利益を出すことはできないでしょう。
居住者の入れ替わりが激しい物件を購入した
入居してもすぐ退去してしまい長期間空室となる部屋が多く、予定した家賃収入を得られなかった。
不動産投資最大のリスクは空室で、入居者が現れないと家賃収入を得ることができません。長期間にわたって空室のままだと、ローン返済のために預貯金を取り崩したり、金融機関への返済が滞ることになってしまいます。
さらに空室を埋めようと入居者募集の広告や修繕を行うとコストが掛かり、最悪の場合せっかく購入したアパートを売却せざるを得ないことも起こり得るでしょう。
勧められるがままに物件を購入した
不動産会社から勧められ、深く検討することなく物件を購入したが、入居者が集まらずアパートを売却せざるを得なくなった。
不動産会社は、必ずしも家賃収入を得られる物件を勧めるわけではありません。不動産会社は、一般的に売りたい物件または売りやすい物件を勧めます。
そのため購入後に修繕費用が大きく掛かったり、空室が多く発生し家賃収入を得られない場合もあるので、よく検討して利益を確実に得られる物件を購入しなければなりません。
アパート一棟買いを成功させるポイント
次に一棟買いを成功させるにはどうしたらよいのか、チェックすべきポイントを説明しましょう。
修繕やリノベーション費用を見込んでおく
中古アパートは不具合が発生する可能性が高いので、修繕費用やリフォーム費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。
修繕費用を予定しておかないと、思いもかけない不具合が発生し、自己資金では賄えないこともあり得ます。
また、アパートが古くなると通常退去者も増えるので、予算を計上しリフォームやリノベーションを行って、入居者を増やすようにしなければなりません。
周辺物件の状況を分析する
近くに満室のアパートがあれば、リサーチを行い設備の状況や家賃などを把握し分析する必要があります。
自分の保有するアパートは空室が多いのに、競合物件が満室の場合には何か問題があるはずです。設備を新しくしたり、リフォームを行ったり、家賃の値下げをするなど対応しなければなりません。
しかし、その場合費用対効果を考え、投資に見合うだけの利益が得られるかよく検討することも必要でしょう。
間取りと想定居住者の相性を考慮する
アパートの一棟買いをする場合、間取りと想定する居住者がマッチした物件を購入しましょう。
例えば、ファミリー層が好む郊外のエリアに単身用の部屋を作っても、満室にはなりにくいでしょう。逆に駅が近い繁華街に、ファミリー向けの部屋を作っても入居する人は少ないでしょう。
したがって、間取りとターゲットとする居住者が合致した物件を購入する必要があります。
現地に赴いて住みやすさ・利便性を確認する
これは良い物件だと思っても、実際に見ると異なる場合もあるので、現地に行って住みやすさや利便性を必ず確認しなければなりません。
図面だけでは日当たりや街の喧騒・バスの本数などはわかりません。いくら一棟の値段が安く間取りが良くても、住環境や便利さが良くなければ入居者は現れません。
アパートの一棟買いは高い買い物、必ず現地に行って住みやすさや利便性を確認しましょう。
アパート一棟運営で不安になったら
部屋が満室のときは良いですが、空室がいくつか発生したような場合、不動産投資はうまくいくのだろうかと不安になるでしょう。その場合どうしたらよいのか、対策について説明しましょう。
運営実績・収支計画を徹底的に見直す
不動産投資も経営なので、一般の会社と同様に計画を立て実績を把握・分析する必要があります。
予定と実績に大きな乖離が生じている場合には、計画そのものを見直さなければなりません。アパートのリフォームや修繕・家賃の値下げなどで入居者が増えるのであれば、今後も経営は可能でしょう。
しかし原因が周辺環境であったり、リノベーションが必要なくらい老朽化しているなど、根本的な問題がある場合には経営を再考する必要があるでしょう。したがってアパート経営においては、出口戦略は大きなポイントになります。
第3者のプロの意見を取り入れる
アパート経営には、空室をはじめ家賃滞納・入居者トラブル・家賃下落などさまざまなリスクがあります。そのようなリスクに直面した場合には、迷うことなく不動産管理会社やハウスメーカー・大家仲間などのプロの意見を聞くようにしましょう。
特に不動産管理会社は、ともにアパートの運営をする良きパートナーなので、常に相談して意見を取り入れることが大事です。
そのためアパート経営においては、信頼できる不動産管理会社を見つけることは重要なポイントです。
まとめ
この記事ではアパート一棟買いの失敗事例と成功のポイントを挙げて解説しました。不動産賃貸も企業経営と同じなので、計画を立て実績を把握し差異があれば修正しなければなりません。
またアパート経営には、いつでも相談に乗ってもらえる信頼できる不動産管理会社の選定が大事であることを覚えておきましょう。
コメント