不動産投資において、「出口戦略」という言葉をご存じでしょうか?
賃貸物件を最終的に清算するときに、利益が出た状態で処分することを出口戦略と言います。しかしなぜわざわざ出口戦略を立案する必要があるのでしょうか。
この記事では、不動産投資における出口戦略の必要性や方法・成功のポイントなどについて解説します。
なぜワンルーム投資に出口戦略が必要なのか
ワンルームマンション投資は、未来永劫続けられるものではありません。いつか物件を処分しなければならないときが、必ずやってきます。
しかしその時が来て慌てて計画しても遅すぎます。賃貸で利益が出ていても、買い手がつかず安い価格で売却することになり、トータル損益では損失が出てしまったということになりかねません。
したがって、トータル損益で判断するためにも、出口戦略が重要になってきます。
ワンルームマンションの主な出口戦略は限られる
一戸建てや一棟もの賃貸住宅は、更地にして売却する方法もありますが、ワンルームマンションの出口戦略は売却・リノベーション・自分が住むの3つです。
したがってあらかじめ出口は少ないことを頭に入れておく必要があります。
売却する
ワンルームマンションの出口戦略で、もっとも一般的なのは物件の売却です。
老朽化したワンルームマンションを売却しようと考えても、なかなか売れるものではありません。ワンルームマンションは、よほど良い立地でない限り購入ときの価格以上では売れないと考えておいた方が良いでしょう。不動産投資では、家賃収入による利益と売却による損失と合計し利益が出るようにしなければなりません。
「満室状態を継続できなくなってきたので売却したい」など場当たり的な投資スタイルでは、決して利益を得ることはできないでしょう。したがって出口戦略というものは、購入した時点で決めておく必要があります。
リフォーム・リノベーションする
売却をせずに、リフォームやリノベーションして賃貸を継続するという選択肢もあります。
リフォームやリノベーションを行えば、家賃の値上げは難しいかもしれませんが、家賃の値下げを回避することはできるでしょう。
しかしリフォーム・リノベーションをした場合でも、いずれ再度出口戦略を考えなければならない時期はやってきます。
自分が住む
単身者が経営しているワンルームマンションであれば、自分が住むという選択もあります。
しかしいずれ結婚したり子供が生まれたりすれば、ライフスタイルは大きく変わります。その場合はワンルームマンションに住むことはできなくなるでしょう。
したがって自分が住むという選択肢は、不安定要素が多いので避けたほうが無難です。
ワンルーム投資の出口戦略設計のポイント
それではワンルームマンションの出口戦略で成功するポイントについて説明しましょう。
物件を購入するときに出口戦略を立てておく
ワンルームマンションは区分所有であり、更地にして売却という選択肢は原則としてありません。
したがって出口戦略は限られてくるので、空室が増えてきたから慌てるのではなく、購入した時点で考えておくことが必要です。
そのためには、出口戦略を立てやすいような物件を購入することが重要になります。
売却のタイミングを考える
売却をうまく行うためには、タイミングを考えることも必要です。具体的には次のとおりです。
ワンルームマンションの築年数を考え売却
築年数が経つと空室が発生しやすくなり、広告費をかけてもなかなか埋まりにくくなります。
また空室のある古いマンションでは、売却も困難になります。一般的に建物は20年を過ぎると、価値が下落します。
したがって売却する場合には、築20年を目途としたほうが良いでしょう。
減価償却費期間終了前に売却
建物の法定耐用年数は定められており、その期間を過ぎると減価償却できなくなります。
減価償却とは、物件の価値を購入後数年にわたって経費として計上できるものです。
減価償却による経費計上ができなくなると納税額が増えるので、その前に売却したほうが良いでしょう。
長期譲渡所得になるタイミングで売却
不動産を売却する場合、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり所得税と住民税合わせて20.315%の税率となります。
所有期間が5年以下の場合には、短期譲渡所得となり税率は合わせて39.63%と高額です。したがって売却をする場合には、5年超で売却したほうがお得です。
優良な物件を購入する
交通の便が良い人気のエリアにワンルームマンションを購入すれば、出口戦略も比較的容易です。
優良物件は空室が発生することも少なく、売却する際にも高く売れる可能性があります。
したがって賃貸物件の購入にあたっては、優良物件を購入することが重要になります。
空室でないときに売却する
ワンルームマンションが空室の場合には、買主から見れば入居者が望まない物件と低く評価しがちです。
逆に常に満室である物件ならば、空室が発生することが少ない魅力的な物件と評価します。
したがって満室の状態のときに売却すれば、売りやすいだけでなく高値で売れる可能性もあるでしょう。
見積もりは複数社に依頼する
物件を売却する際には、複数の業者から見積もりをとるようにしましょう。
1社だけの見積もりですと、妥当な金額かどうか判断できません。合い見積もりにすれば、不動産会社も精度の高い査定金額を出してくれる可能性があります。
「一括査定サービス」を利用すれば、一度に多くの不動産会社に見積もり依頼ができるので便利です。
まとめ
ワンルームマンション投資で成功するためには、賃貸で利益を得たかどうかではなく最終的な出口戦略がうまくいったかどうかで決まります。
したがって出口戦略は物件を処分する時期が近づいてから考えるのではなく、物件を購入する際に概略を立案しておきましょう。
ワンルームマンション投資の出口戦略で、迷っている方は自分一人で悩むのではなくプロに相談してみると良いでしょう。
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