転職すると、「不動産投資ローン」の審査が不利になるといわれています。実際はどうなのでしょうか。
今回は、転職した際、不動産投資ローンが不利になる理由をお伝えします。
転職すると不動産投資ローンが通らないと言われる理由
転職によって、不動産投資ローンが通らない理由を考えるうえで、不動産投資ローンそのものの審査基準をしっかり理解する必要があります。
【転職するとローンが不利になる理由】
- 勤続年数がリセットされるから
- 転職直後は年収が証明できないから
- 長く続けられないとみなされる可能性がある
勤続年数がリセットされるから
不動産投資ローンに限らず個人へのローン(融資)については、勤務先もさることながら、勤続年数は必ずチェックされます。転職すると、一旦、勤務年数はリセットされますので、ローン審査が通らない可能性は高まります。
不動産投資は物件を貸して、その家賃収入を得るビジネスモデルですが、売上のメドが確立しているだけでは、不動産投資ローンの審査は通りません。
勤続年数の考え方は各金融機関で異なるものの、最低でも「勤続年数3年以上」といわれており、「勤続3年未満」の方は安定的な収入がないとみなされるのが実態です。
転職直後は年収が証明できないから
転職すると年収の証明ができないというのも、不動産ローンの通らない理由になります。不動産投資ローンの審査では、必ずローン申込者本人の年収を証明する書類を金融機関に提出しなければなりません。
会社員の給与所得の証明は、勤務先で発行される源泉徴収票や役所で発行される納税証明書などがありますが、これらの書類は直近の12月末過去1年間で発行されます。
たとえば、21年2月に前勤務先を退職、21年3月に現勤務先に就職(転職)、21年6月に不動産投資ローンを申込した場合、現勤務先では源泉徴収票は発行できませんので、年収を証明できないのです。
長く続けられないとみなされる可能性がある
会社が履歴書で応募してきた採用候補者の転職歴を確認するように、不動産投資ローンの審査でも、ローン申込者の転職歴はチェックされます。
「働き方の多様化」「労働者の流動化」など、転職は当たり前の時代になりました。しかし、ローンの審査では、転職歴が多いと「長く仕事を続けられない」として、収入は安定しないとみなされる傾向が強いです。
転職しても不動産投資ローンに通る事例
一方、転職しても不動産投資ローンの審査に通るケースや、転職前よりも審査が通りやすくなる事例もあります。
【転職してもローンに通る例】
- より信頼性のある会社に転職した場合
- 年収が増加した場合
- 元々勤続年数が長かった場合
より信頼性のある会社に転職した場合
転職前よりも、より信頼性のある会社に転職した場合は、不動産投資ローンの審査は有利に働きます。
例えば、個人事業主など小規模規模の会社に雇われている労働者よりも、大企業と言いわれている上場会社の労働者のほうが、金融機関からは収入が安定して安全性が高いとみなされるのも事実です。
年収が増加した場合
転職前よりも給料が大幅アッブし、年収が増える転職になった場合は不動産投資ローンの審査は有利です。
金融機関からは、万一、家賃収入が減るケースに遭遇しても、ローン申込者の本業収入が多いほど、家賃減少分をカバーできるとみなすわけです。
元々勤続年数が長かった場合
元々、同じ会社での勤続年数が長かった場合も、転職後のローン審査に通るケースがあります。
たとえば、同じ20年でも、同一の会社で20年勤務後に初めて転職した人と、2年ごとに計10回転職経験のある人では、金融機関の審査の見方は全く違います。
転職検討者が考えるべき不動産投資ローンのポイント
では、現在、転職を検討している方が、考えるべき不動産投資ローンのポイントを解説します。
【転職検討者向け不動産投資ローンのポイント】
- 不動産投資が本業に影響を与えるのか
- 転職前にローンが組めるのか
- 転職先は転勤があるのか
不動産投資が本業に影響を与えるのか
不動産投資が本業に影響を与えるかを見極めなければなりません。例えば、転職先の副業禁止との兼ね合いです。
不動産投資に伴う家賃収入は、個人事業主などの事業所得ではなく不動産所得になり、通常は会社の副業規定に抵触しないケースが多いです。
しかし、ある一定を超えて、「事業規模」になるケースでは、副業規定に抵触する可能性があります。
転職先の副業規定など、不動産投資が本業に影響するか転職前に確認しておくのは、とても大切です。
転職前にローンが組めるのか
ローンを組む際、ローン時点の勤務先や年収で審査を受けることになります。よって、転職前に不動産投資ローンが組めるのであれば、転職前にローンの申込をして審査結果を待つのも得策です。
転職先は転勤があるのか
転職先では転勤があるかもチェックしてみましょう。特に、転居が伴う転勤があるケースでは、不動産投資に伴う賃貸管理面に影響が出る方もいらっしゃるかと思います。
不動産投資、いわゆる賃貸業と本業の兼業が可能かどうかの視点も大切です。
まとめ
今回は、不動産投資ローンを組むうえで、転職が不利になるケースを解説しました。
不動産投資は、ローンを使わずに対象物件を現金で購入するケースは確かにあるものの、相続対策なども含めて、不動産投資ローンを使うケースが多いといわれています。
特に、ローンを活用した不動産投資では、実際の収支計画(キャッシュフロー表)などを策定して、綿密に分析する必要があります。
不動産投資に興味のある方で、何かご不明な点やお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
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