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米国株

【PEP銘柄分析】ペプシコの株価・事業内容・強み・弱みを解説

ペプシコの株価

※スマートフォンの場合、画面を横にすると競合の株価状況が表示されます

会社名PepsiCo Inc
代表者Ms. Indra K. Nooyi
本社700 Anderson Hill Road Purchase, NY 10577 USA
設立年1919年9月
業種一般消費財
社員数264,000名
HPhttps://www.pepsico.com/

ペプシコの財務状況

直近の財務状況

※損益計算書は直近12ヶ月

売上高の推移

出所:pepsico-inc-2021-annual-report

地域別売上構成比

出所:pepsico-inc-2021-annual-report

【ペプシコの地域別売上構成比】

  • 北米:60%
  • 南米:10&
  • 欧州:16%
  • AMESA:8%
  • APAC:6%

AMESA=アフリカ、東南アジア
APAC=その他アジア、豪州、中国

ペプシコの事業内容

出所:pepsico-inc-2021-annual-report

【ペプシコの事業内容】

  • FLNA(スナック菓子事業)
  • QFNA(シリアル事業)
  • PBNA(飲料事業)
  • Latin America(南米事業)
  • Europe(欧州事業)
  • AMESA(アフリカ事業)
  • APAC(豪州・アジア事業)

FLNA(スナック菓子事業)

FLNA(Frito-Lay North America)事業は次のように定義されています。

Frito-Lay North America (FLNA), which includes our branded convenient food businesses in the United States and Canada

「FLNA事業は、北米(アメリカとカナダ)にてスナック菓子を提供しているビジネスです」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

売上高でみればFLNA(スナック事業)はPBNA(飲料事業)に次いでいますが、営業利益では圧倒的な1位であり、同社の中核事業と言えます。

出所:pepsico-inc-2021-annual-report

経済活動の再開に伴い外出や外食の機会が増え、映画館、テーマパークなどの娯楽施設が営業再開し、スナック菓子の売上が回復しつつあります。

営業施設の再開度合い、活況度合いが今後の事業に影響を与えそうです。

QFNA(シリアル事業)

QFNA(Quaker Foods North America)事業は次のように定義されています。

Quaker Foods North America (QFNA), which includes our branded convenient food businesses, such as cereal, rice, pasta and other branded food, in the United States and Canada

「QFNA事業は、北米(アメリカとカナダ)にてシリアルや米、パスタなどを提供しているビジネスです」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

健康志向の高まりからQFNA事業で提供しているシリアルへの需要は強まっており、着実に売上高を増やしています。

しかし、そのペースは遅く、事業環境的には追い風でありながらも、同事業の売上高はペプシコの事業の中で最小です。今後同分野でM&Aや大型投資があってもおかしくないですね。

PBNA(飲料事業)

PBNA(PepsiCo Beverages North America)事業は次のように定義されています。

PepsiCo Beverages North America (PBNA), which includes our beverage businesses in the United States and Canada

「PBNA事業は、北米(アメリカとカナダ)にて飲料を提供しているビジネスです」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

世界的に有名な「ペプシコーラ」や、日本でもファンの多い「トロピカーナ」だけでなく、スポーツドリンクやミネラルウォーターも販売しており、およそ1,000種類の商品を扱っています。

炭酸飲料水を除いた飲料業界シェアは世界1位であり、近年は炭酸飲料以外の商品強化などが目立ちます。

また、新興国を成長ドライバーとするコカ・コーラとは対照的に米国での成長がメインとなる見通しです。

Latin America(南米事業)

南米事業は次のように定義されています。

Latin America (LatAm), which includes all of our beverage and convenient food businesses in Latin America

「南米事業は、南米にて飲料やスナック菓子などを販売しているビジネスです。」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

南米事業の事業規模についても記載があります。

PepsiCo Latin America sells beverages, food and snacks throughout the region employing more than 70,000 employees in 34 countries and generating $7.2 billion dollars in sales. 

「ペプシコの南米事業は、南米諸国に飲料・スナック菓子を提供し、社員数7万人、販売国数34、売上高72億ドルを誇っています。」

ABOUT THE COMPANYより意訳
出所:pepsico-inc-2021-annual-report

また、北米を除いた事業では営業利益ベースで最も優秀な事業であり、ペプシコの利益の10%を稼いでいます。

Europe(欧州事業)

欧州事業は次のように定義されています。

Europe, which includes all of our beverage and convenient food businesses in Europe

「欧州事業は、欧州にて飲料やスナック菓子などを販売しているビジネスです。」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳
出所:pepsico-inc-2021-annual-report

ペプシコはAnnual Reportにて各地域の飲料・食料の販売割合を公表しているのですが、欧州事業は最もバランス良く販売されていることがわかります。

AMESA(アフリカ事業)

アフリカ事業は次のように定義されています。

Africa, Middle East and South Asia (AMESA), which includes all of our beverage and convenient food businesses in Africa, the Middle East and South Asia.

「アフリカ事業は、アフリカ、東南アジアにて飲料やスナック菓子などを販売しているビジネスです。」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

ドバイに本社を置く同事業ですが、ペプシコは、コカコーラとは異なり新興国に注力する姿勢は弱いため、地域の経済成長に対して同事業は拡大できていません。

APAC(豪州・アジア事業)

豪州・アジア事業は次のように定義されています。

Asia Pacific, Australia and New Zealand and China Region (APAC), which includes all of our
beverage and convenient food businesses in Asia Pacific, Australia and New Zealand, and China region.

「豪州・アジア事業は、豪州、中国やその他アジア諸国(東南アジア除く)にて飲料やスナック菓子などを販売しているビジネスです。」

pepsico-inc-2021-annual-reportより意訳

豪州・アジア事業は地域の有力ブランドと連携することで事業を大きくしてきました。ユニリーバなどと連携したことで紅茶やフルーツジュース市場にもアクセスしてきました。

ペプシコの強み

【ペプシコの強み】

  • 飲料・食品業界でのトップシェアとブランド力
  • 積極的なM&A戦略
  • バランスの取れたポートフォリオ
  • DSD物流システム

飲料・食品業界でのトップシェアとブランド力

ペプシコは飲料・食品業界でトップシェアを誇っており、展開しているブランドは世界的な認知度を誇っています。

製造業とは異なり景気動向に大きな影響を受けない業態であり、安定的な収益を生み出せることから規模の経済性を生かした経営活動を行っています。

また、Forbesの「The World’s Most Valuable Brands2020」では、StarbucksやZARAを抑えて36位となっています。

出所:Forbes

知名度と規模を生かした戦略が可能となっています。

積極的なM&A戦略

ペプシコは、強固な財務基盤を活かし、M&Aを積極的に行っています。

2018年8月にはソーダメーカー製造大手の「ソーダストリーム」を、2019年7月には南アフリカの飲料・食品大手のパイオニアフーズ、そして2020年にはエナジードリンクメーカーの「ロックスター」を、それぞれ数千億円規模で買収しています。

また、買収だけでなく売却に関しても機動的に行っています。2021年8月には「トロピカーナ」などを含む北米のジュース事業を約3,600億円で売却。

M&Aを駆使して加速度的に事業規模を拡大、またはスリム化させることで、市況にあったビジネスを展開しています。

バランスの取れたポートフォリオ

ペプシコの事業ポートフォリオのバランスはとても良く、一つの商品や地域に依存していないことがわかります。

出所:pepsico-inc-2021-annual-report

ペプシコは、Pepsi, Diet Pepsi, Fritosなど、売上ベースで10億ドルを超す商品を20ブランド以上保有しています。

仮に一つの商品に競合が現れたとしても、全体収益にはさほど影響がない体制を構築できているのです。

DSD物流システム

ペプシコは、物流システムとしてDSD(Direct Store Delivery)を採用しています。

DSDとは?

貨物の納期・緊急度に併せて、お客様に最も近い生産拠点からの集荷し、直接配送先まで届ける配送サービスのこと。

DSDによって、仕入れや広告を機動的に行うことができる。

インフルエンサーによる宣伝や一時的なブームによって、スナック菓子や飲料水は爆発的に販売されることがあります。しかし、物流網が複雑だと仕入れに時間がかかってしまい、機会損失が発生してしまいます。

DSDであれば需要に対応する形で供給できるため、機会損失をなくすることができます。

ペプシコの弱み

【ペプシコの弱み】

  • 健康志向の高まりによる炭酸飲料の消費鈍化
  • 砂糖税などの政策的な逆風

健康志向の高まりによる炭酸飲料の消費鈍化

健康志向が高まることで、ペプシをはじめとする炭酸飲料水の需要が少しずつ弱まっています。流石に時代の流れには逆らえませんね。

しかし、ミネラルウォーターやシリアルなどの健康志向者向けの商品を拡充させており、しっかり時代に対応していく姿勢が見て取れます。

とはいえ、現状は売上のほとんどが炭酸飲料やスナック菓子なので、健康商品ビジネスをより積極化していく必要はありそうです。

ソーダ税などの政策的な逆風

米国の一部の州では、炭酸飲料水などの人工甘味料を含む飲料に課税する「ソーダ税」を導入しています。

米ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)市当局が2017年に導入を決定した砂糖や人工甘味料を含む飲料への課税により、これら製品の売り上げが38%減少したとする調査結果が発表された。

AFP BB News

記事にあるようにソーダ税の導入は炭酸飲料水に直接的に影響するので、今後は米国や他の国々で導入されるかどうか注意する必要があります。

ペプシコの大株主

株主名比率%
The Vanguard Group, Inc.8.44%
BlackRock Fund Advisors4.73%
SSgA Funds Management, Inc.4.26%
Geode Capital Management LLC1.67%
Wellington Management Co. LLP1.37%

業界初、現役IFAがキャリア・アドバイザーを務める転職サービス「IFA PASS」

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たりたり

たりたり

元株式アナリスト・ファンドマネージャー

元株式アナリスト・PM経歴 ライターとして米国株式市場の見方や株式投資銘柄分析についてのメディア寄稿も書籍 KADOKAWAから発売の『本気で稼ぐ!株式投資の教科書』は楽天ランキングで2週連続1位 | フォロワー70,000人(2021年12月時点)

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