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9月第4週(9/20~24)のマーケット解説と翌週のポイント

9月第4週のマーケット動向のおさらいと注目銘柄の解説行います。

1週間のまとめと翌週のマーケットのポイントについても発信しているので、是非最後まで読んでみてください。

9月20日(月)のマーケット解説

マーケット全体の解説

中国不動産大手の中国恒大集団のデフォルトなどの経営破綻懸念からの、中国景気の大幅な冷え込みを懸念し、大きく下落しました。

最も下落幅が大きかったのが原油安も重なったエネルギーセクターですが、全体的には中国景気の冷え込みと翌日から始まるFOMCを前にした売りが重なっていたこともあり、シクリカルとIT関係が下落する展開となりました。

特に注目したいのがVIXでこの日は急激に上昇し、5月以来の高値を付けました。セクター別での動向とは別に大きく動いたのがやはり中国関連銘柄で、中国を主要な顧客とするキャタピラーやテスラが大きく下落しました。

注目された銘柄:LVMH

中国の景気悪化懸念が大きく高まった影響で、エルメスやLVMHなどの中国売上比率の高い高級ブランド名銘柄に下落の動きが見られます。昨今の高級消費財の成長ドライバーはアジアに集中しています。

一例をあげると、中国の海南島と呼ばれるリゾート地では免税店が増加するなど、国を挙げて内需強化に中国は取り組んでいるからという面もあります。そのため、今回のような中国景気の後退は中国での高級品、LVMH、エルメス、エスティローダーなど高級な消費財関係には大きなマイナスとなります。

9月21日(火)のマーケット解説

マーケット全体の解説

前日の大幅下落からの反発の流れが見られたものの、やはり全体的にシクリカル銘柄が中国景気減速懸念の高まりから結局は下落しました。

一方でハイテク銘柄に関しては反発。ただ、全体的には翌日のFOMCを前にやや様子見姿勢が強い1日でした。

注目された銘柄:UBER

ウーバーテクノロジーは7-9月の業績見通しを発表。

この見通しによると従来予想よりも早く黒字化ができそうな見込み。UBERは有名な配達アプリなどを展開する新興企業で、まさにグロース(大きく成長する)銘柄。

グロース銘柄で重要なのは今後の将来的な成長がどうなりそうなのか?というもの。EPS(1株当たり利益)という観点ではそこまで大きな上昇幅ではないのだが、グロース銘柄は足元の利益がどうなるのか?という点よりも今後大きく成長できそうかという点が株価に大きく影響する。

今回のUBERの発表は事業が軌道に早く乗りそう!という内容のため、今後の成長可能性を投資家に感じさせるものであったようだ。グロース銘柄投資の観点は常に今後も大きく成長できそうか?という点を注意してみていこう。

注目された銘柄:Fedex

Fedexは6-8月期決算を発表。

内容としては人手不足によって配送コストが大きく増加してしまったことにより利益が予想を下振れ、株価が下落した。現在この人手不足によるコスト増加という内容はかなり広範囲にわたって意識されている。

その背景には労働市場の歪みが存在している。ここ数カ月前までは失業保険が通常よりも月に25万円ほども上乗せされていたということもあり、そもそも労働意欲が減退し人件費を高く(つまり時給を上げて)人材確保に走らざるを得ない状況だった。

今回の同社の決算はその労働市場のゆがみが利益率を押し下げたというのがわかる内容だった。今後については失業保険の上乗せがなくなっているため、どの程度労働市場が健全化するのか?といった点が重要になる、

そのため毎週発表される新規失業者、継続失業者の動向を確認する重要性は高い。

9月22日(水)のマーケット解説

マーケット全体の解説

4日ぶりの上昇となった。

要因としては①エバーグランデが23日期日の利払いを実施すると発表(払わない見通しだった)したことにより、経営破綻懸念が一時的に和らいだことが要因の1つ。

もう一つは本日に行われたFOMCで、FOMCを前にやや下落基調となってきた米国株だったが、FOMCの内容がおおむね事前想定通りだったことを受け、全体的に買いが入った。

ここ最近の懸念材料だったエバーグランデとFOMCという2つの要因が共に好材料に反転したために3指数そろって上昇した1日だった。

注目の出来事

今回のFOMCの事前想定は、まだテーパリングの実施には振り切らないというもので、実際に今回のFOMCの内容はテーパリングが近いというコメントにとどまるものであったため、全体的に無風・事前想定通りの内容となった。

今後の展開のメインストーリーであるが、11月にテーパリング公表というものとなる。今回のFOMCのコメントでがテーパリングの実施はすぐにでも正当化されうるというコメントがあった。

これは多くの予想と合致する『11月でのテーパリング公表』という内容を意味すると見られている。実際にテーパリングを開始する条件として以前から示されてきた雇用状況の改善とインフレ状況についてはすでに解決されている状況であるので、条件面的にもテーパリングの実施についての懸念はもうなくなったとみてもいいだろう。

またFOMCで毎回注目されるドットチャート(FOMCに参加している各地方の連銀総裁たちが未来の時点毎の適正金利を示し、それぞれ点(ドット)をグラフに打っていくためそう言われる)の内容は2022年中の利上げを支持する意見が予想よりも多かったため、ややタカ派的な受け止められ方をしている。

ただ、これまでの声明文でかなりの回数、利上げについてはかなり慎重に行うとコメントしてきたことや、現在の注目点が利上げではないため、この若干のタカ派スタンスが株価に影響は与えなかった。

注目された銘柄:FaceBook

ェイスブックの株価は▲4%と大きく下落。その要因がAppleがiphoneでのプライバシー保護機能を高めたことにより、個人にカスタマイズした広告を出せなくなった部分があると報じられたこと。

Facebookの強みは世界中で30億人に迫るユーザー数を誇るSNSで個人にカスタマイズした広告をうち、その広告料を広告主から得られること。本来広告というのは範囲を絞った広告、つまり個人向けにカスタマイズした広告のほうが需要も単価も高い傾向にある。

Facenookの広告料は業界的には安く設定されているが、個人用のカスタマイズした広告を届けられるというのは広告主からして、Facebookを利用して広告を打とうと思わせられる利点であった。今後のAppleの方針にもよるがその方針によってFacebookの収益性が下がるかどうか?という点は重視していきたい。

結局デバイスに依存する点はフェイスブックに弱点でもある。

9月23日(木)のマーケット解説

マーケット全体の解説

S&P500は+1.2%と前日に引き続き上昇。約3週間ぶりの続伸となった。

FOMCを終え直近の懸念事項がコロナからの景気回復動向と中国のエバーグランデのデフォルトリスクの2つとなっていた状況だが、この日に関してはまず9月の製造業・サービス業PMIの両指数が発表。両指数ともに市場予想は若干下振れもともに好景気の基準となる50を大きく超える水準を引き続き維持していることが確認された。

また、エバーグランデに関しても中国当局がデフォルト回避を指示したという報道がなされ、この姿勢も好感された。VIXも大きく下落し相場全体に買いが入る展開となった。

注目の出来事

これは米国の出来事ではないが、中国の姿勢について注記しておこう。中国市場はほかの国の市場よりもかなり国の方針に対してセンシティブに反応しがちな傾向がある。

例えばある経済指標が発表された場合、通常であれば悪い結果なら株価下落となる。しかし悪い経済指標が出た場合、その経済テコ入れのために政府による支援策が期待され株価が上がるケースがある。これは米国でもよく見られる光景ではあるが、中国では米国以上に顕著にみられる傾向にある。

もし中国銘柄に投資をすることがあれば、中国政府との関係性が非常に重要にあることを意識しておこう。これの最たる例が昨今のアリババ・テンセントなどの急激な株価下落だ。政府が2社に対し規制強化を行うというスタンスを表明した途端に両社の株価は大きく下落している。

ここでも中国における企業への強制力の高さがうかがえる。

注目された銘柄:アクセンチュア

アクセンチュアが決算を発表。市場予想を上回る好決算に加え自社株買いも発表。

9月24日(金)のマーケット解説

マーケット全体の解説

指数ごとにまちまちな展開。ダウ、S&P500は上昇したもののナスダックは横ばいで引けた。

この日に意識されたのは長期金利の上昇で、割高感を意識されているハイテクが軟調だった。そのほかには中国で仮想通貨サービスの全面禁止が発表されたことが全体的にセンチメントを弱めたという面もあった。

全体的な動きは上記の通りだがこの日は個別銘柄が大きく動いた日でもあった。まず大型銘柄の決算がどんどんと出てき始めている。この日の大型銘柄決算でいうとコストコ、ナイキが決算を発表している。

ここからはその他の会社についても決算が出てき始めてくるタイミングなので個別銘柄の決算動向とその影響について注意してみておきたい。

9月第4週(9/20~24)のまとめ

週は先週に引き続き中国のエバーグランデ関連が株価の押し下げに寄与していた面は大きく現れた1週間だった。

しかし週の後半にかけては昨今の下落の反動を受けての上昇や、FOMCの無風通過、またエバーグランデ関連の好材料などにより反転上昇する結果となった。

米国の動向を見るうえでやはりVIXは明確に市場のセンチメントを表す指標だということを再認識できた点も大きい。今週については木曜日に懸念が全体的に後退したことによる大幅上昇がVIXの下落を伴うものであったという点は今後市場を見る上でも重要視していきたい。

また、今後の展開についてだが、ここ最近は大型銘柄の決算もちらほらと出てきている。やはり決算期になると市場の関心は大型銘柄の決算動向に大きく左右されるため決算動向は確実に抑えたい、また、大型銘柄の決算はその銘柄だけでなく周辺業界銘柄への影響も非常に大きいため、派生効果についても見ておくようにする重要性が高い。

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